序の舞・新春ドラマスペシャル

序の舞・新春ドラマスペシャル

1984年1月2日にテレビ朝日系で放送された「序の舞・新春ドラマスペシャル」は、宮尾登美子の同名小説を原作としたテレビドラマです。京都を舞台に、一人の女性が日本画の世界で己の才能を開花させながら、愛と情念に翻弄される姿を描いています。

あらすじ

主人公の津也は、16歳から日本画の世界に没頭します。父の面影を重ねるように、師である松渓と関係を持ち、子供を身ごもります。その後も、様々な男性との出会いを通じて恋を重ね、その経験が彼女の作風に深みと凄みを加えていきます。津也は、恋多き女性としての情念を全て絵画にぶつけ、独自の境地を切り開いていくのです。

特徴

このドラマは、実在の女流絵師である上村松園の半生をモデルにした文芸大作です。主人公の津也を演じたのは、当時人気絶頂だった大原麗子。彼女は、情熱的で繊細な女性を見事に演じきりました。また、津也を取り巻く男性たちも、中井貴一、津川雅彦、田村正和といった豪華キャストが演じ、ドラマに重厚感を与えています。

特筆すべきは、その豪華な衣装です。主人公・津也が着用した衣装は50着を超え、中には絵画の色をそのまま染めた特注の着物も用意されました。衣装代だけでも現在の価値で3千万円、総製作費は2億5千万円とも言われています。このことからも、テレビ朝日がこのドラマにかけた力の入れようがうかがえます。

キャスト

津也：大原麗子
桂三：中井貴一
大物画家：津川雅彦
松渓：田村正和
八千草薫

スタッフ

原作：宮尾登美子
脚本：大野靖子
演出：久野浩平
プロデューサー：千野榮彦
制作：テレビ朝日、PDS

「序の舞・新春ドラマスペシャル」は、豪華キャストとスタッフが集結し、宮尾登美子の原作を忠実に映像化した作品として、今もなお多くの人々に記憶されています。日本画の世界を舞台に、女性の愛と情念を描いたこのドラマは、時代を超えて見る者の心を揺さぶるでしょう。

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