座頭市 THE LAST

座頭市 THE LAST

『座頭市 THE LAST』は、2010年5月29日に公開された日本映画であり、『座頭市』シリーズの最終作とされています。映像化権を持つ製作会社セディックインターナショナルの代表、中澤敏明が映像化権を原作者である子母澤寛の遺族に返上したことが、最終作となった理由の一つです。

概要

中澤敏明は、「この先いかなるメディアでも『座頭市』を映像化することはない」と発言しており、本作がシリーズに幕を下ろす形となりました。ただし、原作者の著作権は2037年まで保護されるものの、その後は誰でも自由に映像化が可能になります。そのため、「最後の座頭市」という言葉は、宣伝以上の意味を持つものではありません。

全国238スクリーンで公開され、初日の2日間で6万9,184人を動員し、興行収入は8,512万8,400円を記録。映画観客動員ランキングで初登場6位となりました。

ストーリー

最愛の妻・タネとの約束を守り、平穏な暮らしを求めて故郷に戻った座頭市。かつての親友・柳司の家に身を寄せ、仕込み杖を置きます。柳司の母・ミツや息子の五郎との平穏な日々を望むも、村は非道な天道一家に牛耳られていました。

封印したはずの仕込み杖を再び手に取らざるを得なくなった市。その先には、想像を超える過酷な運命が待ち受けています。愛する者を守るため、そして己の信じる正義を貫くため、市は最後の戦いに身を投じていくのです。

キャスト

座頭市：香取慎吾
タネ（市の妻）：石原さとみ
柳司（市の親友）：反町隆史
ミツ（柳司の母）：倍賞千恵子
五郎（柳司の息子）：加藤清史郎
政吉（旅の博徒）：中村勘三郎
天道：仲代達矢

スタッフ

原作：子母澤寛
監督：阪本順治
脚本：山岸きくみ
* 音楽：プロジェクト和豪

製作

撮影は2009年3月15日に開始され、山形県庄内地方に江戸時代の町並みを再現した大規模なセットが組まれました。主演の香取慎吾は、2008年6月から殺陣の訓練を開始し、監督の阪本順治と共に盲人会や視覚障害者用の卓球に参加するなど、役作りに励みました。

音楽を担当したプロジェクト和豪は、阪本監督が自らCDショップで探し出した才能です。撮影前から音楽制作は開始され、映画冒頭の竹林のシーンでは、プロジェクト和豪が制作したデモ版が使用されるなど、映画に大きな影響を与えました。

『座頭市 THE LAST』は、シリーズの集大成として、座頭市の生き様を鮮烈に描き出した作品です。香取慎吾をはじめとする豪華キャストの熱演、阪本順治監督による重厚な演出、そしてプロジェクト和豪による心揺さぶる音楽が、観る者の心に深く刻まれます。

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