座頭相撲

座頭相撲の概要

座頭相撲は、盲目の人々による相撲興行で、盲人同士または盲人男性と晴眼女性が取組を行うスタイルが特徴です。最初の興行は、永享2年に江戸の両国で行われたとされています。これ以降、座頭相撲は一定の人気を博し、江戸時代中期には特に流行しました。

歴史的背景

「俳諧時津風」において永享3年に「座頭角力」という題名の記事が見受けられ、そこには「のばす手はなでるやうなる柳かな」との詩も記されており、当時の様子が想像できます。また、明和年間には「街談録」や「浪華見世物年鑑」などに、盲人同士の角力や盲人と女性との取り組みが記載されていることから、その人気の高さが伺えます。

例えば、明和6年には「浅草寺境内盲の角力」や、「難波新地曲馬前にて盲人角力」との記録が残っており、座頭相撲は多くの人々に楽しみを提供していました。また、両国橋での興行も行われ、大いに賑わっていたようです。

取り組みのスタイルと特徴

座頭相撲では、盲人が土俵で手探りしながら取り組むため、その様子がユニークであったという点もあり、観客にとっては新鮮で面白い体験でした。視覚障害を持つ力士たちは、他の力士たちとは異なる手法で相撲を取り、観客の期待感を高めていました。

しかし、その一方で盲人男性と晴眼の女性との取り組みが一部の好奇心をそそり、興行の内容が一部では不適切であったため、座頭相撲の独立した興行は次第に行われなくなります。挙句の果てには、安永の頃からは、公開の場での醜態を演じることが問題視され、禁止される事態に至りました。

文政時代以降の変遷

文政の時代になると、盲人と女性の相撲興行が再び組織され、江戸両国広小路において興行が開催されるようになります。そして、文政9年には番付を配りながら興行を行い、高い評判を得ることもありました。しかし、その後の人気は徐々に座頭相撲から女相撲へと移行し、座頭相撲の衰退が顕著に現れ始めます。

最終的には、明治5年に男女相撲の見世物が禁止となり、座頭相撲の歴史は幕を閉じることとなりました。このように、座頭相撲は江戸時代のユニークな文化の一部として、一時の繁栄を示しながらも、時代とともに変遷していったことがわかります。

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