康国器

康国器（こう こくき、Kang Guoqi、1811年 - 1884年）は、清朝末期の動乱期に活躍した軍人です。初名は以泰、字は交修といい、広東省南海県の出身です。

若い頃は役人としてキャリアをスタートさせましたが、道光帝の末期に軍隊に入隊しました。当初は江西省の贛県桂源司巡検という役職に就いていましたが、咸豊年間に入り、太平天国の乱が激化すると、その鎮圧に奔走することになります。太平天国の勢力が江西省に侵攻し、各地で土匪が蜂起する中で、康国器は転戦を繰り返し、その武勇を発揮しました。

1861年には、その功績が認められ知府に昇進しました。さらに、1862年には浙江省に援軍として派遣され、蔣益澧の指揮下で湯渓の包囲作戦に参加します。翌年、この湯渓を陥落させることに成功し、康国器は道員へと昇進しました。1864年には、余杭攻略戦において、その功績が最も大きかったと評価され、福建延建邵道に抜擢されました。この昇進によって、康国器は一軍を率いる将軍としての地位を確立しました。

その後、左宗棠の命を受け、福建省を拠点としていた太平天国の将軍、李世賢と汪海洋を他の将軍たちと協力して打ち破りました。1866年には福建按察使に任命され、1868年には広西布政使、1871年には巡撫代理と、要職を歴任しました。しかし、1872年には病のため郷里に帰ることとなりました。

康国器は、その戦術において、少数の兵で多数の敵を撃破することを得意としました。また、足の怪我のために跛を患っていたことから、軍中では「康拐子（こうかいし）」と呼ばれ、敵からは恐れられる存在でした。

彼の活躍は、太平天国の乱という激動の時代における清朝側の重要な勝利に貢献しました。康国器の戦略と勇猛果敢な姿勢は、多くの兵士たちの模範となり、清朝の軍事史にその名を刻むことになりました。

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