康生

康生の生涯と業績

康生（こうせい、1898年 - 1975年）は、中国人民共和国の著名な政治家である。彼の本名は張宗可であり、さまざまな変名を使用していた。山東省膠県大台荘に生まれ、裕福な地主の家庭で育った。政治活動に関与するようになったのは、1919年の五四運動の影響を受けたからである。

康生は上海大学に入学し、1925年に中国共産党に入党した。その後、上海労働者の蜂起を促進する地下活動に従事した。彼は徐々に党内での地位を高めていき、江蘇省委員会の組織部長を経て、党の中央組織部長に就任するなど、多くの役職を歴任した。康生は党の指導者たちに近づくことで保身を図り、1933年にはモスクワに派遣され、ここで多くの経験を積んだ。

彼はスターリン政権下のソ連での大粛清を体験し、その影響を受けて帰国後は中国共産党内での粛清に関わることとなる。特に情報工作を担当し、党内のスパイや裏切り者を摘発する厳しい活動を行った。1940年代には国共内戦中に華東局副書記として活動し、戦後も中央機関の要職を歴任した。

康生は1950年に統合失調症を患い、長期休養を取ったものの、1956年に復権し、文部小組の副組長として毛沢東の「大躍進運動」に関与した。1960年代にはさらに権力を拡大し、文化大革命の推進に重要な役割を果たした。彼は毛沢東に対する忠誠を示し、厳しい弾圧を行い、多くの党員を迫害した。

康生は中央文化革命小組の顧問としても活動し、党内の粛清に対して積極的に関与した。彼の影響力は強大であり、国際的な共産主義運動に対する影響もあった。特に、ポル・ポト率いるクメール・ルージュの支持など、海外に対しても積極的な活動を展開していた。

1973年、康生は党の副主席に就任するが、健康は悪化していく。彼は癌を患っており、それが彼の政治活動にも影響を与えた。1975年12月16日、康生は膀胱癌によりその生涯を閉じた。彼の死後、中国共産党は彼を林彪・江青ら反革命集団の一員として除名し、評価は二分されることとなった。

家族と趣味

康生は家庭生活にも恵まれ、最初の妻とは17歳のときに結婚、子供も授かった。趣味としては文物、特に硯や書籍の収集を楽しんでおり、文化大革命では略奪した膨大な数の文物を「保護」して自らのコレクションとした。彼のコレクションは、文革終了後に外部公開されることになる。

康生の歴史の中での役割は、中国共産党の権力構造において非常に特異なものであり、彼の業績や影響は今なお研究の対象となっている。

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