庾仲容

庾仲容の生涯と業績

庾仲容（ゆ ちゅうよう）は、478年から551年にかけて生きた南朝梁の官僚および文人です。彼の字は仲容で、故郷は潁川郡鄢陵県です。庾仲容は、斉の邵陵王の記室に勤務していた庾漪の子として生まれました。幼少期に父と死別し、叔父である庾泳に養育されました。この環境が彼の学問への情熱を育むことにつながりました。

彼は学問に専念し、周囲の人々との交際を避け、常に書物に親しむ日々を送っていました。初任として安西法曹行参軍に就いた後、彼の才能は徐々に認められていきます。吏部尚書の徐勉が庾泳の子を東宮に推薦しようとした際、庾泳が自分の子ではなく仲容を推薦するよう懇願したことで、庾仲容は太子舎人に抜擢されました。

その後、庾仲容は安成王蕭秀のもとで主簿となり、学問を通じて蕭秀から厚遇を受けました。また、晋安王蕭綱の下で功曹史として働きましたが、県令職には数回就任したものの、統治能力が評価されず、しばしば弾劾に遭うことがありました。

庾仲容は長い経歴を経て再び蕭秀のもとに戻り、中記室に任命されました。その後、武陵王蕭紀の下で安西諮議参軍としての任期に入りましたが、最終的には尚書左丞に就任した後、罪に問われて免官されてしまいます。

彼の学識は広く知られ、若い頃から名声を博していましたが、酒を飲むと衝動的に高尚な議論をすることが多く、これが原因で友人が少なかったとされています。ただし、王籍や謝幾卿とは特に親しく、彼らもまた時には酒を酌み交わしていました。

晩年には、再び諮議参軍としての職に復帰し、黟県の県令となります。しかし、侯景の乱の際に会稽で病にかかり、74歳でこの世を去ります。

庾仲容は詩文や学問だけでなく、数々の著作を残しました。彼の主な著書には、30巻からなる『子抄』、20巻の『衆家地理書』、3巻の『列女伝』、そして20巻にわたる文集があります。彼のこれらの作品は、当時においても広く読まれ、影響を与えました。

脚注

• - 伝記資料: 『梁書』巻50 列伝第44、 『南史』巻35 列伝第25

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