潁川郡

潁川郡

潁川郡（えいせん-ぐん）は、中国にかつて存在した郡です。秦代に設置されてから唐代にかけて、現在の河南省中部に置かれていました。

概要

秦が韓を滅ぼした際に、潁川郡が設置され、郡治は陽翟に置かれました。その後、前漢の高帝時代には韓王信がこの地に封じられ韓国が立てられましたが、すぐに韓王信が太原[[郡]]に移封されたため、再び潁川郡となりました。前漢時代には豫州に属し、陽翟、昆陽、潁陽など20県を管轄していました。

王莽の時代には左隊郡と改称されましたが、後漢の成立とともに再び潁川郡の名称に戻されました。後漢時代には、陽翟、郟、襄城など17県を管轄していました。

196年（建安元年）には、曹操が献帝を伴い許県に都を移し、221年（黄初2年）には許県は許昌県と改名されました。

晋代には、潁川郡は許昌、長社など9県を管轄し、北魏時代には長社、臨潁、潁陰の3県を管轄しました。

東魏の時代に鄭州が置かれ、北周の時代には許州と改称されました。583年（開皇3年）に隋が郡制を廃止したことで、潁川郡は廃止され許州に編入されました。しかし、607年（大業3年）に隋が再び郡を置いた際に、許州は潁川郡と改称され、潁川、襄城など14県を管轄しました。

621年（武徳4年）に唐が王世充を平定すると、潁川郡は許州と改められました。742年（天宝元年）には再び許州が潁川郡と改称されましたが、758年（乾元元年）に潁川郡は再び許州と改称され、潁川郡の名称は歴史から姿を消しました。

このように、潁川郡は時代とともにその範囲や名称、所属する行政区画を変化させながら、中国の歴史の中で重要な役割を果たしました。その変遷は、当時の政治情勢や社会状況を反映しており、中国史を理解する上で欠かせない要素となっています。

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