延長 (元号)

延長（えんちょう）

延長は日本の元号の一つであり、923年から931年の期間を指します。この元号は、前の延喜から後の承平への移行を示すもので、醍醐天皇が治める時代に相当します。この時代に起こった重要な出来事や、元号自体の変遷について詳しく見ていきましょう。

改元の経緯

延長は、延喜23年の閏4月11日（西暦923年5月29日）に改元され、延長9年4月26日（西暦931年5月16日）に承平に改元されました。これにより、日本の歴史に一つの節目が加わりました。延長という元号は、特に醍醐天皇の治世を特徴づけるものであり、様々な政治的な動きや社会的な出来事が詰め込まれています。

延長期の重要な出来事

2年

• - 1月：藤原忠平が正二位に昇格し、故本院左大臣藤原時平の後を受けて左大臣に任命されました。また、醍醐天皇の伯父である藤原定方も右大臣に昇進しました。
• - 4月：故菅原道真の復職が行われ、右大臣に任命された上で正二位を追贈されることとなりました。

3年

• - 6月19日：藤原時平の外孫である慶頼王がわずか5歳で薨去しました。この出来事は、菅原道真の怨霊によるものとの噂が広まりました。同じ年の12月には、全国の各国に対して風土記を作成するように命じられました。

5年

• - 12月26日：藤原忠平を中心とする者たちにより「延喜式」が完成し、法令や制度が整えられました。この延喜式は、後の時代の政治や社会に一石を投じることとなります。

8年

• - 6月26日：清涼殿に落雷があり、正三位権大納言であった藤原清貫が死去しました。この事故は、菅原道真の排斥に関与していたこともあり、大きな波紋を呼びました。この直後には醍醐天皇自身も病に倒れてしまいます。

• - 9月22日：醍醐天皇が寛明親王に譲位し、この事件を経て新たに朱雀天皇が即位しました。さらに、藤原忠平が摂政に就任し、39年ぶりに摂関が置かれることとなります。この出来事は日本の政治の流れに大きな影響を及ぼしました。

• - 9月29日：この年の末には、醍醐上皇が崩御し、延長時代が終幕を迎えることになります。

まとめ

延長の期間は、日本の歴史の中で多くの変革や出来事がありました。この頃の政治的な動きや社会の変化は、その後の時代にも多くの影響を与えたことが伺えます。延長元号は、醍醐天皇から朱雀天皇への重要な架け橋であると同時に、藤原氏の権力の強化や制度の整備が進められた時期でもあります。

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