延長 (日本の道路)

日本の道路延長に関する詳細解説

日本の道路における延長は、道路法で定められた路線の全長を表します。一般的には、道路の中央線を測量した長さを指します。国や地方自治体発行の道路現況調書や路線認定調書には、様々な種類の延長が記載されています。それぞれの定義を詳しく見ていきましょう。

延長の種類

1. 総延長:
道路法に基づき指定・認定された路線の起点から終点までの全長です。重用延長、未供用延長、実延長、渡船延長を全て含めた総計となります。これは、その路線の全容を表す最も包括的な指標です。

2. 実延長:
総延長から重用延長、未供用延長、渡船延長を除いた、実際に供用されている道路の長さを示します。道路の利用状況を把握する上で重要な指標となります。

3. 重用延長:
上位の道路と重複する区間の長さです。道路法では、上級路線に重複する区間を明確に定義しています。同じ種類の道路が重なっている場合、路線番号が若い方の路線にその重複区間が計上されます。交差点においても同様の扱いがされます。この重複部分の管理や維持については、関連する複数の行政機関が連携して対応する必要があります。

4. 未供用延長:
路線の指定・認定はされているものの、まだ供用開始されていない区間の長さです。建設中や整備中の道路が含まれます。将来的に供用開始される見込みがあるものの、現時点では利用できない区間の長さです。

5. 渡船延長:
道路の一部として、海上や河川、湖沼を渡る公営の渡船施設の長さです。民間の渡船施設は未供用延長に分類されます。これは、公共の道路網における特殊な形態の延長であり、道路管理上、特別な配慮が必要です。

6. 現道:
旧道や新道以外の、既存の道路の長さです。道路改修やバイパス建設が行われた場合でも、元の道路がそのまま残っている区間の長さです。既存道路の維持管理状況を把握する指標として重要です。

7. 旧道:
バイパス建設などにより、元の道路が他の道路として独立せず、かつ同一路線に重用区間がある場合の、元の道路区間の長さです。道路改修に伴い、役割を終えた道路区間の延長を表します。歴史的な背景なども含めて、道路の変遷を理解する上で重要な情報です。

8. 新道:
バイパスなど、現道に直接接続しておらず、部分的にのみ供用されている区間の長さです。道路網の拡張や改良によって新たに整備された道路区間のうち、まだ完全に統合されていない部分の長さを指します。道路整備の進捗状況を把握する指標となります。

これらの延長の定義を理解することは、道路計画、管理、維持、そして政策立案において非常に重要です。それぞれの延長が持つ意味を正確に理解することで、より効果的な道路管理を行うことができます。国土交通省のウェブサイトなどの公式情報も参照して、より深い理解を深めていきましょう。

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