建国勲章

建国勲章とは

建国勲章（けんこくくんしょう、朝: 건국훈장）は、大韓民国における勲章の一つであり、1949年4月27日に「建国功労勲章」として制定されました。1967年1月16日に現在の名称に改定され、大韓民国の建国に貢献した人物、または国家の基盤を強化することに寄与した人物に授与されます。

授与対象

賞勲法第11条により、建国勲章は「大韓民国の建国に功労が明確で、または国基を強固にすることに寄与した功績が明確な者」へ授与されると定められています。受章者とその家族・遺族は、「独立有功者礼遇に関する法律」に基づき、手厚い礼遇を受けることができます。

特に、独立運動において顕著な功績を残した人物が数多く受章しています。また、外国人も受章することがあり、日本人では、戦前に朝鮮人が関係した事件を担当した弁護士の布施辰治が、没後の2004年に建国勲章愛族章を追贈されています。これは日本人初の建国勲章受章となりました。

しかし、社会主義系の人物への叙勲は遅れており、2004年にはその可否について国会で議論がなされました。また、国家報勲処内部で等級に関する議論があったことも知られています。過去には、親日派とされた人物への叙勲が取り消された事例も存在します。

等級

建国勲章は5つの等級に分かれています。制定当初は3等級でしたが、数度の改正を経て現在の形になりました。各等級の名称は以下の通りです。

1. 大韓民国章(대한민국장)
2. 大統領章(대통령장)
3. 独立章(독립장)
4. 愛国章(애국장)
5. 愛族章(애족장)

1990年の改正により、国民章が独立章に改められ、その下位に愛国章と愛族章が新設されました。また、賞勲法制定前の建国褒章と大統領表彰は、愛国章、愛族章、建国褒章への変更が可能となりました。

建国勲章の下位には、建国褒章が存在します。さらにその下位には、独立運動に関する大統領表彰が位置づけられています。

意匠

建国勲章の意匠は、等級ごとに細かく定められています。正章（章と綬）、襟章、略綬が基本セットとなり、上位3等級には副章が付属します。

章飾の中央には太極があしらわれ、その周囲にアメシストが配置されています。そこから八稜の光線が伸びるデザインとなっています。正章の章には、無窮花の葉冠の鈕が付いています。

綬は赤地で、中央と両端に黄色の線が入ります。等級が上がるにつれて両端の線が増え、大韓民国章では太線になります。

正章は、大韓民国章と大統領章は大綬章として右肩から下げて佩用し、独立章は中綬章として喉元に帯びて佩用します。愛国章と愛族章は、ロゼット付きの小綬章として左胸に佩用します。上位3等級の副章は、左胸に佩用する星章です。

建国褒章もロゼット付き小綬章ですが、金属部分が銀色で、綬は赤地の中央に白線が1本入ります。

かつて大韓民国章と大統領章の女性用章飾は男性用よりも小さい寸法でしたが、2015年の改正により男性用と同じ寸法に統合されました。

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