建州衛

建州衛について

建州衛（ケンシュウ-エイ）は、明朝により満洲地域、現在の中国東北部に設置された衛のひとつです。この衛は、1411年には左衛が分設され、さらに数年後には右衛も設けられ、これらを総称して建州三衛と呼びます。これに隣接する毛憐衛を加えた地域は、建州女直と称され、女真の三大分類において重要な位置を占めていました。

設置の背景

明朝では元朝の制度を模倣し、軍戸から兵士を世襲的に補填し、それに伴う組織を衛所としました。永楽帝は即位後、女真族を管理する目的でこの制度を活用し、満洲各地に衛所を設置しました。この際、各衛所の長官は女真族の酋長が務め、彼らの特権が認められていました。1403年に設置された建州衛は、このような体制のもとで最初に設けられた衛の一つとされています。

移動と変化

建州衛は、その設置された地域が戦争や自然災害の影響を受けて移動することがありました。女真族は衛所を通じて明朝の保護下にあり、そのため移動する場合は事前に明朝に允許を求めました。建州衛の移動は、以下の三回にわたって実施されました。

一回目の移徙

1424年、建州衛は婆猪江流域へ移動しました。これは、女真族が蒙古からの侵略を受けたことが原因で、三代目衛主の李満住をはじめとする一族が兀剌山南麓の甕村に移住しました。その後も、この地域での防御を強化する必要がありました。

二回目の移徙

李満住らは、その後兀獮府に向けた急遽の避難を行いました。この移動は、朝鮮軍による襲撃を受けてのもので、行動は迅速に行われました。1434年2月には、移動が完了していたとされています。

三回目の移徙

さらに、建州衛はフラン・ハダという地域へと移動しました。この名前は、当地の地形に由来しており、1468年頃には移動が完了したと考えられています。この移動もまた、朝鮮軍の襲撃が影響していました。

設置や変遷の年表

• - 1403年：建州衛設置。阿哈出が指揮使に任命される。
• - 1411年：建州左衛が分設。
• - 1412年：建州衛に多くの人々が移住。
• - 1424年：一回目の移徙が実施される。
• - 1434年：二回目の移徙が完了。
• - 1438年：三回目の移徙、フラン・ハダに移る。

まとめ

建州衛の設置とその後の移動は、当時の明朝と女真族の関係を象徴する事例と言えます。建州衛はその後の満洲国の成立にも寄与し、地域の歴史における重要な位置付けを持っています。文献に記されている数々の出来事からは、当時の人々の生活や当惑、明朝との関わりが垣間見え、歴史の深さを実感することができます。

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