建築主事

建築主事（けんちくしゅじ）とは

建築主事は、建築基準法第4条の規定に基づき、地方公共団体に設置される公務員の一種です。これは、各地域における建築確認を行い、建築物が法律に適合しているかを確認する重要な役割を果たしています。特に、建築基準法という法律に従って、地域の建築物の安全性や適正性を確保するための監視と判断を行います。

設置される地方公共団体

建築主事を設けることが求められるのは、主に以下の条件を満たす地方公共団体です。

• - 人口25万人以上の市：このタイプの市は、建築主事を必ず設置しなければなりません（法第4条第1項）。
• - 人口25万人未満の市と町村: これらの団体は、建築主事を置くことができるものの、設置にあたっては都道府県知事の同意が必要です（法第4条第2項および第3項）。

また、建築主事を設置しようとする場合、市町村の長はその旨を建築主事が置かれる日の30日前までに公示しなければならず、この情報を都道府県知事に通知する義務があります（法第4条第4項）。

さらに、設置された建築主事は、周辺地域における建築確認にまつわる業務を行うことになります。このため、特定行政庁という名前で呼ばれる地方公共団体の長が必要とされるのです（法第2条第35号）。

限定的建築主事

建築基準法には、限定的な権限を持った建築主事を設置することも認められています。これにより、特に以下の団体には異なる設置基準が適用されます。

• - 町村および政令で指定を受けない市：これらの団体では、一部の建築物に対してのみ権限を有する建築主事を置くことが可能です（法第97条の2）。
• - 特別区：大規模建築物を除く全ての建築物に対して権限を持つ建築主事が設置できます（法第97条の3）。

このように設置された限定的建築主事を有する地方公共団体の長は、「限定特定行政庁」として知られています。

建築主事の資格

建築主事になるためには、特定の資格を有する必要があります。具体的には、市町村または都道府県の職員の中から、建築基準適合判定資格者検定に合格した、国土交通省に登録された者が選ばれることが条件となっています。この任命権限を持つのは、各市町村の長または都道府県知事です。

建築主事は地域社会にとって、建築物に関する法律や基準を遵守させる重要な存在であり、その役割は今後も一層重要性を増していくことでしょう。

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