特定行政庁

特定行政庁について

特定行政庁は建築主事を設置している地方自治体の長、つまり市町村や特別区のトップを指します。この機関は、建築基準法に基づく建築確認申請の審査や違反建築物に対する是正命令など、建築に関連する様々な行政業務を行っている重要な役割を担っています。

建築基準法第2条第35号に明記されているように、特定行政庁は地方公共団体によって設置されるものであり、建築主事が置かれている市町村や特別区ではそれぞれの首長が特定行政庁となります。一方、その他の市町村や特別区では都道府県の知事がこの役割を担います。

特定行政庁の設置は、すべての都道府県及び人口25万人以上の特定指定都市において義務づけられています。これは、建築主事を設置しなければならないため、特に人口が多い都市において必要不可欠な存在となっています。仮に人口が25万人未満である市町村の場合は、都道府県知事と市町村長が協議を行うことにより、建築主事を設置することが可能です。これにより、人口10万人以上の多くの都市では市長が特定行政庁としての役割を果たしています。

また、建築基準法において特定の行政業務だけを扱う建築主事を設置している市町村の場合、その市町村長がその特定業務の特定行政庁となります。このように、行政の効率性を高めるために特定の役割分担がなされているのです。特別区についても同様に、都知事との協議を経て特定の業務を担当する建築主事が設置され、その業務に関しては特別区長が特定行政庁として機能します。

特定行政庁は、建築確認申請に基づく確認業務や検査済証の発行にとどまらず、建築許可や違反建築物に対する措施命令など、建築基準法に基づく様々な行政行為を行うことができます。これにより、地域の建築に対する法令遵守を確保する役割を果たしています。特定行政庁は、全ての事務権限を有する「一般特定行政庁」と、特定の事務権限のみを持つ「限定特定行政庁」に分かれており、限定特定行政庁が権限を行使しない場合には、都道府県知事が特定行政庁となります。

このように、特定行政庁は地方自治体における建築行政の中核的存在であり、その業務の重要性は非常に高く、地域の建築物の安全性や適法性を確保するために欠かせない機関です。建築基準法は、この特定行政庁の権限や義務を明確に定義することで、建築行政の適正な運営を支えています。

関連項目

• - 行政庁
• - 位置指定道路 - 特定行政庁が建築基準法に基づき指定する道路（私道）

外部リンク

• - 特定行政庁一覧

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