建築設備検査員

建築設備検査員とは

建築設備検査員（けんちくせつびけんさいん）は、特定の講習を修了した後に資格証を取得した者を指します。この職業は、2016年に施行された建築基準法の改正に基づいて新たに設けられたものであり、従来の「建築設備検査資格者」の後継として存在しています。

概要

日本の建築基準法第12条第3項では、特定行政庁が指定した民間の建築物において、換気設備や排煙設備、非常用照明、給水設備及び排水設備などの安全性を確保するために定期的な検査を行う必要があります。この検査を実施し、結果を特定行政庁に報告するのが建築設備検査員の主な業務です。さらに、公共建築物においても、法の定めにより定期的な点検が義務付けられています。

建築設備検査員はこのような定期検査・定期点検を実施する資格を持つ一方で、一級建築士や二級建築士も同様の業務を行うことができます。

受講資格

建築設備検査員になるためには、一定の受講資格を満たす必要があります。具体的には、以下のような条件が定められています：

• - 大学または旧大学で建築学、機械工学、電気工学等を専攻し、卒業した後に2年以上の実務経験を有すること。
• - 3年制短期大学を卒業後に3年以上の実務経験。
• - 2年制短期大学、高等専門学校、旧制専門学校を卒業後に4年以上の実務経験。
• - 高等学校や旧制中学校等で関連課程を修了後、7年以上の実務経験を積むこと。
• - その他、建築行政に関する実務経験を持つ者や、建築士関係の資格保有者も対象となります。

これらの条件を満たすことで、建築設備検査員の資格取得が可能となります。

講習

建築設備検査員の資格を得るためには、登録建築設備検査員講習を受講する必要があります。この講習は、一般財団法人日本建築設備・昇降機センターが実施しており、毎年東京都や大阪市などで行われます。講習は秋に2回行われ、数年ごとに他の都市でも開催されることがあります。

講習科目

講習では以下のような科目が用意されており、まずは基礎知識を身につけることが求められます。

• - 建築設備定期検査制度総論
• - 建築設備に関する建築基準法令
• - 建築学概論
• - 建築設備総論
• - 給排水衛生設備
• - 換気・空気調和設備
• - 電気設備
• - 排煙設備
• - 建築設備の維持保全
• - 定期検査業務基準

この講習を受けた後、修了考査を受験することで資格取得が可能となります。一部の有資格者は特定の科目が免除されることもあります。

まとめ

建築設備検査員は、建築物の安全性を確保するための重要な職業であり、積み重ねた学びと経験が活かされる場所でもあります。資格取得は専門的な知識を深め、新たなキャリアを築くための一助となるでしょう。

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