建設運輸局 (琉球政府)

建設運輸局は、琉球政府において、地域のインフラストラクチャー整備を所管していた行政事務部局です。その前身は工務交通局であり、1961年8月1日の機構改革に伴い、建設運輸局へと改称されました。しかし、その体制は長くは続かず、1965年8月1日には建設局と通商産業局へと分割され、その役割を終えることとなりました。

所掌事務

建設運輸局は、多岐にわたる事務を所掌していました。以下は、1961年8月1日時点での主な所掌事務です。

土木に関する事項：道路、橋梁、河川などの公共土木施設の建設、維持管理
建築に関する事項：公共建築物の建設、住宅政策、建築基準の策定
都市計画に関する事項：都市計画の立案、都市整備、区画整理
港湾に関する事項：港湾施設の建設、管理、運営
運輸に関する事項：陸上、海上輸送に関する政策立案、監督
公益事業に関する事項：電気、ガス、水道などの公共事業の監督
気象に関する事項：気象観測、予報、警報
郵政事業及び電信電話事業に関する事項：郵便、電信、電話サービスの提供

これらの事務は、当時の琉球における社会基盤整備において、非常に重要な役割を担っていました。

組織

建設運輸局は、以下の組織によって構成されていました。（1961年8月1日現在）

内部部局

庶務課：局内の事務全般、人事、会計などを担当
土木課：土木事業の計画、設計、施工管理を担当
建築課：建築事業の計画、設計、施工管理を担当
公益事業課：電気、ガス、水道事業の監督、指導を担当
陸運課：陸上輸送に関する政策立案、監督を担当
海運課：海上輸送に関する政策立案、監督を担当

外局

海難審判委員会：海難事故の調査、審判を担当
郵政庁：郵政事業全般を所管

支分部局

建設事務所：各地の建設事業の実施を担当
港務所：各地の港湾施設の管理、運営を担当

附属機関

気象台：気象観測、予報業務を実施

参考文献

照屋栄一『沖縄行政機構変遷史 明治12年～昭和59年』照屋栄一、1984年8月15日。

関連項目

琉球政府
行政主席

外部リンク

* 沖縄県公文書館

建設運輸局は、琉球政府におけるインフラ整備の中核を担い、その後の沖縄の発展に大きく貢献したと言えるでしょう。

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