廿日市女子高生殺害事件

廿日市女子高生殺害事件の詳細

廿日市女子高生殺害事件（はつかいち じょしこうせいさつがいじけん）は、2004年10月5日に広島県廿日市市で発生した凄惨な事件です。この事件では、高校生の女の子が自宅で刺殺され、その祖母も重傷を負うという残酷な犯罪が展開されました。

事件の発生

事件が起こったのは、2004年10月5日の午後3時ごろ。廿日市市の上平良にある住宅で、一家の長女である女子高生が、若い男に刃物で襲われました。彼女は学校から帰宅後、自宅の離れにある2階の自室で仮眠を取っていたところで、この悲劇に見舞われました。突如として彼女の悲鳴が響き、階段を駆け下りる音が聞こえたため、祖母と次女が駆けつけました。玄関先には、大量の血が散らばっており、長女は重傷を負っていました。

長女はあわててベッドを離れようとした様子で、部屋の音楽機器に接続されたイヤホンが外れていました。加害者はその後、降りてきた祖母にも襲いかかり、背中や腹を複数回刺した後、逃走しました。次女は急いで近所の園芸店に助けを求めて駆け込みましたが、長女は残念ながら出血多量でその場で命を落としてしまいました。ただ、祖母はその後回復しました。

警察の捜査

事件が発生した直後、広島県警察は廿日市警察署に捜査本部を設置し、犯人の特定に向けた調査を開始しました。この事件は、被害者が自宅内で襲われた非常に凶悪な内容でしたが、長女には学校でのトラブルなどは存在せず、犯人の動機は全く不明でした。目撃者や有力な情報がないまま、事件は長期間未解決のまま放置されることとなりました。

逮捕までの経過

事件から14年が経過する中、被害者の父親はブログで事件を風化させないように呼びかけ続け、2008年には懸賞金制度を導入して有力情報を待つことになりました。また、2010年には殺人事件の公訴時効が撤廃されましたが、依然として目立った進展はありませんでした。

DNA照合による逮捕

2018年4月、別の暴行事件で任意捜査中の男が、廿日市の事件で採取されたDNAと指紋が一致したことで逮捕されました。逮捕されたのは、山口県宇部市に住む35歳の会社員で、事件当時21歳でした。男は工事会社に勤め、同僚からも真面目な性格だと評されていましたが、別件の暴行事件で指紋を提出した際に、一致が見つかりました。

男は、事件当日には宇部市から廿日市までバイクで向かったと供述しています。また、目撃情報からは、彼がその近辺で不審な行動をしているところが確認されています。事件発生後の5月には、重傷を負った祖母に対する殺人未遂罪でも再逮捕されました。その後、男は殺人罪で起訴されました。

裁判の経過

2020年3月3日、広島地方裁判所で開かれた裁判員裁判において、被告人は起訴事実を認めました。検察側は、長期間にわたって逃げ続けたことや身勝手な動機から、無期懲役を求刑しました。一方で、被告人の弁護人は、犯行が突発的であった旨を主張し、量刑軽減を請求しました。最終的に、広島地裁は被告人に無期懲役を言い渡し、双方とも控訴しなかったため、判決が確定しました。

この事件は、長期にわたって未解決だったものの、DNA鑑定が進展をもたらし、犯人の逮捕及び裁判に至ることとなりました。

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