式子内親王

式子内親王について

概要

式子内親王（しきしのりこないしんのう、1149年 - 1201年）は、日本の皇族であり、特に賀茂斎院として知られています。彼女は新三十六歌仙および女房三十六歌仙の一人であり、後白河天皇の三女として生まれました。母は藤原成子で、彼女には同母兄弟が二人、守覚法親王と亮子内親王がいます。式子内親王は、萱斎院、大炊御門斎院とも称されていました。法号は承如法です。

経歴

平治元年（1159年）、内親王としての宣下を受けてから約10年間、彼女は賀茂神社に祀られていましたが、嘉応元年（1169年）に病により退下します。その後は母方の実家で生活し、遅くても元暦2年（1185年）の正月法住寺殿に身を寄せていました。特に八条院暲子内親王のもとでの生活が約7年続き、元暦大地震や疎外の時期を共に過ごしましたが、その後、呪詛をかけられた疑いから八条院を離れ、白河押小路殿に移ります。

建久3年（1192年）、後白河院の死後、大炊御門殿を遺領として受けますが、実質的には九条兼実に横領され、その後の政変まで居を構えることができませんでした。1299年ごろには病がちとなり、正治2年（1200年）には百首歌を後鳥羽院に献上しますが、病状は悪化し、建仁元年（1201年）に53歳で逝去します。彼女の歌は、現存する作品数が400首に達しており、その3分の1以上が『千載和歌集』以降の勅撰集に収められています。

逸話

式子内親王と藤原定家の関係は非常に深く、定家は彼女の訪問を繰り返し、内親王の病状を日記に記すほど親しい存在でした。定家が彼女に贈った恋歌が百首歌として発表されたとの伝承がある一方で、実際には定家自身がこの歌を評価していなかったとの話もあります。

また、法然との関係も注目されており、彼女の出家の際の導師が法然であった可能性があるとされていました。これは、彼女に対する深い思慕があったのではないかとの推測を生んでいます。

歌壇における評価

式子内親王はその時代の女性歌人の代表として称賛され、『新古今和歌集』に多くの作品が収録されています。後鳥羽院により歌人としての地位を認められ、「斎院は殊にもみもみとあるやうに詠まれき」と賞賛も受けました。

近現代において、彼女の歌は技巧的かつ美しいものと評価され、また情緒的な特徴も称賛されています。その歌は本歌取りの要素を含み、多くの作品が古歌や漢詩からの影響を受けています。

別府観海寺温泉の伝承

大分県別府市には、式子内親王が葬られたという伝承が伝わっています。彼女は都を追われた後、尼寺で晩年を過ごし、この地で亡くなったとされていますが、記録上は京都での病死が確認されています。この伝承は後の時代に広まったものであり、実際の事情とは異なる可能性があります。

作品

式子内親王の歌は、特に三種の百首歌という形式で分類され、各々が新たな表現や詞を模索している点が特徴的です。彼女の作品は『千載和歌集』以降の多くの勅撰集に収められており、特に歌合や藤原定家との関係が色濃く反映されています。

まとめ

式子内親王は、その经历と才能により、日本文学史において特異な存在感を放っています。彼女の歌と経歴は今なお、多くの文学的な議論と興味を引き起こし、後世の人々に影響を与え続けています。

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