式守与太夫 (9代)

9代式守与太夫の生涯

基本情報

9代式守与太夫（きゅうだい しきもりよだゆう）は、1898年3月21日に生まれ、1969年11月16日に逝去した元行司です。本名は櫻井福太郎で、後に房錦勝比古という実子を持ち、29代木村庄之助の養父としても知られています。所属した相撲部屋は、高砂部屋から若松部屋へと変わりました。

初土俵と名前の変遷

1910年の春場所で、「式守福太郎」という名前で初土俵を踏んで以降、行司としてのキャリアを始めました。1915年に自身の名前を「木村福太郎」に改名しますが、1年後には再び「式守福太郎」に戻しています。この時期は、初の本名使用からの試行錯誤を経た重要な段階だったと考えられます。

その後、1922年には「式守真之助」へと改名し、さらに1936年には「7代目式守錦太夫」に変わります。彼の名前はその成長とともに変わり続け、行司としての地位が確立されていったことを示しています。1940年ごろには幕内格に昇進し、房錦として知られる力士の父親となります。この時期に、彼が房錦を育て上げたことは、家族の絆を深めると同時に、相撲界における彼の影響力をさらに強固なものにしたと言えるでしょう。

三役行司への道

彼のキャリアは1956年の夏場所での三役行司昇進によって新たな段階を迎えます。この時、彼の名はさらに広まり、三役格の筆頭まで上り詰めました。行司として多くの経験を積み重ねた結果、その実力を証明する機会が訪れたのです。彼の判断力と技術は、相撲ファンのみならず、力士たちにも広く認められることになりました。

晩年と引退

1961年の名古屋場所では、正式に「9代目式守与太夫」を名乗ったものの、健康状態が悪化し、休場が続くこととなります。相撲界での活躍を続けた彼ですが、同年の秋場所での廃業を余儀なくされました。63歳という年齢での引退は、多くのファンにとって衝撃的なニュースでした。

彼は1969年に71歳でこの世を去りました。生涯を通じて、彼は行司としてだけでなく、人間としても多くの功績を残しており、その影響は今もなお感じられています。彼の行司としての地位、そして家族への愛情が、相撲界における名声を築いた証とも言えるでしょう。行司としての道を歩んできた9代式守与太夫は、相撲界の歴史に名を刻む存在でした。

もう一度検索