若松部屋

若松部屋の歴史と特徴

若松部屋（わかまつべや）は、かつて存在した日本相撲協会の高砂一門に属する相撲部屋で、その歴史は1929年に始まりました。この部屋は現在の高砂部屋の前身であり、特徴的な人物や力士が関わる長い歴史を持っています。

沿革

若松部屋は1926年5月に引退した高砂部屋の元小結・射水川が、年寄・若松を襲名し、後進を指導する活動からスタートしました。彼は1929年に高砂部屋から分家独立し、若松部屋を創設しました。当初から多くの優れた力士を育てあげた彼のもと、初代から8代にかけて、いくつもの幕内力士が誕生しました。その中には、鯱ノ里や若嵐などの名力士が含まれています。

1953年には、8代若松が直弟子で養子の西岩に弟子を任せることで、部屋が閉じられましたが、1947年には鯱ノ里が年寄・西岩を襲名し、再び部屋を持ちました。この新しい部屋は若松部屋の伝統を引き継ぎながら発展していきました。しかし、1956年に先代が他界したことを契機に、9代若松に改名しその歴史を継承することになります。

主要な師匠と力士

若松部屋の歴代師匠には、8代の若松健之（小結・射水川）、9代の若松万雄（前3・鯱ノ里）、10代の若松孝成（関脇・房錦）、そして11代の若松末弘（大関・朝潮）がいます。それぞれの師匠は独自の特徴を持ち、その時期に数多くの有名力士を輩出しました。

力士に関しても非常に多彩で、幕内では関脇の岩風角太郎や房錦勝比古が特筆されます。また、朝青龍明徳は11代弟子であり、後に68代横綱として相撲界に名を刻むことになります。これらの力士たちは行動力や競技力を示し、若松部屋の名を高めていきました。

部屋の閉鎖とその後

1989年には、富士錦を師匠とする高砂部屋から、11代若松が襲名し部屋を継承します。しかし、10代若松が廃業した1990年、相撲界の動きにより若松部屋は高砂部屋に吸収合併される形で消滅しました。この際、若松部屋の歴史は73年にわたり、名実ともに高砂部屋として新たな歩みを始めることになります。

まとめ

若松部屋は単なる相撲部屋の一つではなく、相撲界の歴史に深く関与し、数々の名力士を育ててきた伝統的な存在です。その歴史を辿ることで、相撲における師弟制度の大切さや、力士たちの努力の積み重ねを理解することができるでしょう。今もなお、若松部屋の影響は高砂部屋を通じて引き継がれています。

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