式目

式目（しきもく）とは

式目は中世日本で使用された法体系の一形式であり、主に武家法として知られています。これは、武士や公家が遵守すべき規則を条項にまとめたもので、特に武士社会における法の秩序を形成するものとして機能しました。

名称の意味

「式目」の「式」は格式や規範を示すものであり、延喜式に代表されるように、朝廷によって編纂された包括的な法典の補完を目的としています。一方で、「目」は目録や条目を表し、法の内容を整理・規定する意図があります。

代表的な式目

著名な式目には、鎌倉幕府の北条泰時によって編纂された「御成敗式目」（貞永式目）や、室町幕府の足利直義による「建武式目」があります。これらは武家政権の基本法として位置付けられ、武家法の代表例と考えられています。特に御成敗式目は、武士社会において広く受け入れられ、準拠されていました。

法的背景

歴史的に見ると、式目は公家法である式条の集成としての意味合いがあります。御成敗式目は、実際には公家法の情報をもとに編纂されており、社会の実情に合わせて変遷していったものです。このことは、武士と公家が衝突することを避けるための手立てとも考えられています。

泰時の「消息文」に記されているように、当時の公家法は漢文で書かれており難解でした。このため、武士たちが理解しやすい文体の法律が求められた結果、御成敗式目が生まれました。公家法からの再構成を行いながら、重要な社会的「道理」に関する部分は直接的には触れられず、あくまで間接的に示されているのです。

御成敗式目の意義

御成敗式目は、新しい法体系の創設を意図したものではなく、公家法と武家社会との調和を図るためのガイドラインに過ぎませんでした。泰時は法律文書の文体を研究し、式目の法源を公家法に求めたと言われています。これは、泰時の編纂にあたる者の背景や知識を反映した結果とも特徴づけられます。

建武式目の特性

その後、室町幕府において編纂された建武式目は、公家法の影響をさらに強め、内容の中に「倹約」や「礼節」を重視した規定が含まれます。御成敗式目を基にし、法令としての存在感を増していったのです。このような法令は、武士社会と公家社会の共通する法的観念を持ち、社会全体に受け入れられるものになっていきました。

結論

式目は、中世日本における法体系の重要な一部であり、武家社会の秩序を確立する上で不可欠な存在でした。戦国時代や江戸幕府でもその影響を受けた法律体系が構築され、多くの注釈書や教科書として利用され続けたことからも、その重要性は明らかです。

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