弓削丸

弓削丸（ゆげまる）

弓削丸は、文部科学省に所属し、弓削商船高等専門学校が運営する練習船です。1994年に3代目の船が完成し、主に学生の航海実習を行うために使用されています。また、大学などの研究活動や学生の競技会への輸送にも利用されることがあります。

概要

弓削丸は、2代目の弓削丸の後継として、1994年3月30日に三井造船玉野事業所で竣工しました。この船は、学生たちが実践的な航海スキルを学ぶための重要な資源であり、年間を通じて小中学生を対象とした体験航海も開催されています。これにより、若い世代に海洋への関心を喚起する活動も行っています。

歴史

1. 初代（1961年） - 初代弓削丸は、総トン数60トンを誇り、主機は200馬力でした。
2. 2代目（1970年） - 続いて1970年に2代目が建造され、336トン、700馬力を搭載しました。
3. 3代目（1994年） - 現在の3代目は、最新の技術を取り入れた設計が特徴です。

特徴

弓削丸の機関部には、防振対策が施されており、操縦性も非常に良好です。特に、バウスラスタやスタンスラスタといった装置により、操縦の精度を高めています。また、女子学生のための専用居住スペースが設けられている点も重要です。

エピソード

弓削丸は、歴史的な出来事にも関与しています。1995年1月、阪神・淡路大震災が発生した際には、救援活動を行い、学校関係者や旧弓削町の住民から集まった物資を運ぶなど、地域社会への支援を行いました。これを踏まえ、ボランティアチームからの要請で、休息や給食の提供も行われました。

また、弓削丸は国際交流の一環として、1995年および2001年に韓国の釜山にある韓国海洋大学校を訪問する航海を実施しました。これにより、国際的な理解を深める機会も提供しました。

さらに、2018年の平成30年7月豪雨では、弓削港のある上島町全域が断水してしまったため、弓削丸は2日間にわたって、近くの弓削保育所の園児を含む約90名にシャワーを提供しました。このように、弓削丸は教育の枠を超え、地域貢献にも力を注いでいます。

船名は、旧弓削町に隣接する旧上浦町出身の書家、村上三島の揮毫に由来しています。

関連項目

• - 弓削商船高等専門学校

脚注

詳細情報や現在の位置に関しては、国立弓削商船高等専門学校の公式サイトやMarineTraffic.comの船舶情報をご参照ください。

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