弓沢川

弓沢川について

弓沢川は、静岡県富士宮市東部を流れる一級河川であり、最終的には潤井川へと合流します。この川は、1974年に星山放水路が開削されたことで、沼川水系から富士川水系へと編入され、一級河川となりました。富士宮市内では比較的大きな河川であり、市東部の多くの川からの水を集めています。

地理的特徴

弓沢川は、富士宮市東部の標高約600m付近を源流とし、そこから市街地へと流れ下ります。源流付近は新富士火山の噴出物で覆われており、水はけが非常に良いため、普段は川床に水が見られないことが特徴です。しかし、大雨や雪解け時には、土石流や雪代が発生しやすいため、上流部には大規模な砂防堰堤や沈砂地といった防災施設が整備されています。

主な支流としては、上流から順に滝沢川、大沢川、中沢川、久遠寺川があり、いずれも左岸から合流しています。

中下流域では、河岸と河床がコンクリートで固められており、生活排水も流れ込んでいるため、魚類の生息は少ない状況です。富士宮市の調査によると、生物指数は6～24で「少し汚れた水」と判定されています。ただし、上流部ではアブラハヤやドジョウの生息が確認されています。

周辺の施設

弓沢川の周辺には、様々な施設が存在します。

表富士工業団地：輸送機器や機械、加工など製造業を中心とした企業が集まる工業団地。
富士山環境交流プラザ：自然体験や地域文化に関するイベントや講習会を開催する施設。
弓沢沈砂地：建設省の直轄工事で整備された、大規模な沈砂地。川幅を広げ、河床を掘り下げることで土砂を溜める役割を担います。
万野原団地：富士宮市営の団地で、弓沢川の河川敷を利用した公園やグラウンドが併設されています。
富士宮市立富士見小学校：弓沢川が学校のすぐ東側を流れています。
上小泉八幡宮：湧水が点在する地域にあり、弓沢川の中流に流れ込んでいます。境内には3箇所の湧水が見られます。
静岡県立富士宮東高等学校: 学校のすぐ西側を弓沢川が流れています。
源道寺駅：JR身延線の駅で、ホームの直下を弓沢川が横切っています。かつてこの周辺は「一之瀬川」とも呼ばれており、線路のすぐ下流には「一之瀬橋」という橋が架かっています。
* 製紙工場：弓沢川と潤井川の合流地点付近には、豊富な湧水を利用した複数の製紙工場が稼働しています。

このように、弓沢川は地域の生活や産業に深く関わっていることがわかります。上流部の自然豊かな環境と、下流部の都市的な環境が共存する川と言えるでしょう。

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