弓町 (徳島市)

徳島市弓町

徳島県徳島市に位置する弓町（ゆみちょう）は、西富田地区に属する町名です。現在の行政地名は弓町一丁目から弓町四丁目で構成されています。

地理

弓町は徳島市の東部、市街地の南西に位置し、眉山（びざん）の東山麓に近接しています。東は幟町（のぼりまち）、西は伊賀町（がちょう）の住宅街と隣接し、北側は眉山の山麓に沿って一丁目から四丁目まで整然と区画された住宅地が広がっています。市中心部へのアクセスも良く、東部には国道439号が南北に走っています。

歴史

弓町は、元々は富田浦町（とみたうらちょう）の一部でしたが、昭和15年に現在の町名となりました。江戸時代には御弓丁（おゆみちょう）や古馬場（こばんば）と呼ばれていた地域にあたります。昭和初期頃までに町人や職人などの居住者が増加し、町並みが形成されました。

第二次世界大戦前には、大雨のたびに瑞厳寺谷（ずいがんじだに）や八幡神社裏からの水により、家屋が浸水する被害が度々発生していました。しかし、昭和20年7月3日の徳島大空襲では戦災を免れています。

弓町は、江戸時代に谷田蒔絵（たにだまきえ）で著名な蒔絵師・谷田忠兵衛（たにだちゅうべえ）が居住した地としても知られています。谷田忠兵衛は、4代藩主・蜂須賀綱通（はちすかつなみち）に抱えられ、金こがしと呼ばれる独特の手法を用いた華麗な蒔絵を制作しました。この技法は、古今の蒔絵師の中で彼のみが用いたものであり、日本漆芸史上高く評価されています。

また、幕末の三筆と称された書家・貫名菘翁（ぬきなすうおう）が弓町で生誕し、少年期を過ごしました。さらに、当地には、もと藩の弓術方で、明治期に住吉派の画家として活躍した上田魚行（うえだぎょぎょう）なども居住していました。

地名の由来

弓町の地名は、徳島藩の足軽弓組（あしがるゆみぐみ）が集団で居住していたことに由来します。

交通

道路
国道439号

参考文献

『角川日本地名大辞典 36 徳島県』（1986年 ISBN 4040013603）

関連項目

弓町

外部リンク

* 徳島市ホームページ

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