蜂須賀綱通

蜂須賀綱通

蜂須賀綱通（はちすか つなみち）は、江戸時代前期の阿波国徳島藩の第4代藩主です。

生涯

3代藩主・蜂須賀光隆の長男として生まれ、幼名は千松丸、初名は正能（まさよし）と名乗りました。寛文2年（1662年）に7歳で将軍・徳川家綱に初めて拝謁し、その偏諱を受けて綱通と改名しました。寛文6年（1666年）に父・光隆の死去に伴い、わずか11歳で徳島藩の第4代藩主となりました。

若年のため、藩政は叔父である蜂須賀隆重が補佐しました（寛文6年（1666年）～寛文12年（1672年））。

綱通は、寛文12年（1672年）に徳島城の防御と物資輸送の便を図るため、旧吉野川と別宮川（現在の吉野川）をつなぐ水路を開削しました。この水路は、現在の吉野川や吉野川第十堰の基礎となったことで知られています。

延宝5年（1677年）には、若狭小浜藩主・酒井忠直の下から堀田正信を預かりました。堀田正信は、かつて佐倉藩の第2代藩主でしたが、所領を没収され配流の身となっていました。

延宝8年（1680年）、堀田正信が第4代将軍・徳川家綱の死去に際し殉死したため、徳島藩はその責任を問われ、藩主閉門という処分を受けました。

綱通は延宝6年（1678年）、23歳という若さで死去しました。戒名は徳音院霊海文瑛。子がいなかったため、後継の藩主には、従弟（叔父・蜂須賀隆矩の長男で、第2代藩主・蜂須賀忠英の孫）にあたる蜂須賀綱矩が就任しました。墓所は徳島県徳島市助任の興源寺にあります。

官職位階

寛文6年（1666年）7月25日：阿波蜂須賀家の家督を相続
寛文10年（1670年）12月18日：従四位下に叙位。侍従に任官。阿波守を兼任

系譜

父：蜂須賀光隆（1630年 - 1666年）
母：金姫 - 小笠原長次の娘
正室：嶺松院 - 松姫、榊原政房の長女
養子
男子：蜂須賀綱矩（1661年 - 1730年） - 蜂須賀隆矩の長男
女子：賀島重郷正室 - 水野成之の娘

参考文献

* 『蜂須賀家記』

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