弘中隆助

弘中隆助（生年不詳 - 1555年10月28日）は、戦国時代の武将であり、大内氏の家臣として知られています。父は、大内氏の重臣であり、安芸守護代を務めた弘中隆兼です。別名として隆守の名も伝えられています。

弘中氏は、周防国を本拠とする大内氏の有力な家臣団の一角を担っていました。隆助の父である隆兼は、安芸国の守護代として、大内氏の勢力拡大に大きく貢献しました。隆助もまた、父の薫陶を受け、武将としての道を歩むことになります。

隆助の名を歴史にとどめたのは、天文24年（1555年）の厳島の戦いです。この戦いは、大内氏家臣の陶晴賢が主君である大内義長に対して起こした謀反（大寧寺の変）によって、大内氏の勢力が衰退する中で起こりました。陶晴賢は、毛利元就を討つべく、大軍を率いて安芸国に侵攻。毛利氏は、厳島に砦を築き、陶軍を迎え撃つことになります。

弘中隆助は、父・隆兼に従い、大内氏方として厳島の戦いに参戦します。陶軍は、数に勝る兵力で毛利軍を圧倒しようとしますが、毛利軍は地の利を生かし、巧みな戦術で対抗します。隆助は、父と共に勇敢に戦い、毛利軍に大きな損害を与えたと伝えられています。

しかし、戦況は徐々に毛利氏に有利に傾きます。毛利元就は、奇襲攻撃を成功させ、陶晴賢の本陣を急襲。陶軍は混乱に陥り、総崩れとなります。弘中隆助は、父と共に最後まで奮戦しますが、衆寡敵せず、ついに討ち死にを遂げました。父・隆兼もまた、隆助と共に戦死しています。

弘中隆助の死は、大内氏の勢力衰退を象徴する出来事の一つとして、歴史に刻まれました。厳島の戦いでの敗北は、大内氏の滅亡を決定づけ、戦国時代の勢力図を大きく塗り替えることになります。弘中隆助は、大内氏のために忠義を尽くし、勇敢に戦った武将として、その名を後世に伝えられています。

関連情報:
* 弘中氏

もう一度検索