弘明寺駅 (京急)

弘明寺駅：歴史と文化が香る京急沿線の駅

横浜市南区の京浜急行電鉄本線にある弘明寺駅は、そのユニークな名前と歴史深い周辺環境から、多くの人の興味を引く駅です。駅番号はKK43。難読駅としても知られています。

歴史を刻む駅舎

弘明寺駅の起源は湘南電気鉄道の黄金町～浦賀・湘南逗子（現逗子・葉山）間の開通に遡ります。駅用地は、弘明寺の裏山を寺社造りの駅舎建設を条件に提供されたことで確保されました。 この駅舎は、後に利用者増加に伴い、近代的な橋上駅舎へと建て替えられましたが、その歴史は駅周辺の景観にも色濃く反映されています。1914年には横浜電気鉄道の軌道線も開業していましたが、当駅とは離れた位置でした。

開業以来、利用者増加に合わせ、駅は幾度もの改良を重ねてきました。ホームの延長、橋上駅舎化、駅前整備などが行われ、1987年には8両編成に対応できるようホームが拡張され、急行列車の停車も実現しました。しかし、運行形態の変更により、普通列車のみの停車となりましたが、2010年には再び優等列車の停車が復活しました。

主な歴史的節目は以下の通りです。

1930年（昭和5年）4月1日：湘南電気鉄道の駅として開業
1941年11月1日：湘南電気鉄道買収により京浜電気鉄道の駅となる
1942年（昭和17年）5月1日：東急湘南線の駅となる
1948年（昭和23年）6月1日：京浜急行電鉄の駅となる
1969年（昭和44年）：ホーム延長、6両編成対応、跨線橋設置、構内踏切廃止
1984年（昭和59年）：橋上駅舎化
1987年（昭和62年）：ホーム延長、8両編成対応、急行の臨時停車開始
1999年（平成11年）：急行停車廃止
2010年（平成22年）：エアポート急行（現：急行）停車開始

駅構造と利便性

弘明寺駅は、8両編成対応の相対式ホーム2面2線の地上駅です。橋上駅舎を持ち、ホームは南北方向に伸び、駅舎は北側に位置しています。ホーム上には、自殺防止対策として青色防犯灯が試験的に導入されています。

活気あふれる駅周辺

駅のすぐ東側には、弘明寺という歴史ある寺院があり、周辺は門前町として発展してきました。東西に伸びる弘明寺かんのん通りは、アーケード商店街として賑わいをみせ、大岡川沿いの桜並木「大岡川プロムナード」は、春には花見客でにぎわいます。

また、京急グループの運営するスーパー銭湯「黒湯天然温泉 みうら湯」も駅周辺にあり、京急線各駅から弘明寺駅までの往復乗車券と入浴割引券がセットになった「弘明寺みうら湯きっぷ」も販売されています。

周辺には、弘明寺公園、横浜市南図書館、横浜市立南中学校、横浜弘明寺郵便局など、生活に密着した施設が数多く存在します。また、横浜国立大学教育学部附属学校や、横浜市立横浜総合高等学校など教育施設も充実しています。

アクセス

駅前にバス乗り場は存在しませんが、徒歩圏内に複数のバス停があります。北側徒歩2分ほどの平戸桜木道路上には弘明寺口バス停があり、南側徒歩10分ほどの市営地下鉄弘明寺駅付近には弘明寺バス停があります。

隣の駅

井土ヶ谷駅
* 上大岡駅

弘明寺駅は、歴史と文化、そして現代の利便性を兼ね備えた、魅力的な駅です。周辺の散策と合わせて、ぜひ訪れてみてください。

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