張涵予

チャン・ハンユー：声優からスターへ駆け上がった実力派俳優

チャン・ハンユー（張涵予、1964年12月19日生まれ）は、中国を代表する実力派俳優の一人です。数々の映画やテレビドラマで存在感を放ち、その演技力は高い評価を得ています。しかし、彼のキャリアは意外なところから始まりました。

北京市出身のチャン・ハンユーは、幼い頃から映画が大好きでした。映画のセリフを真似るうちに声優への関心を抱き、中高時代にはアニメの吹き替えアルバイトを経験します。高校卒業後は中国煤鉱文工団話劇団に入団し、本格的に演技の道を歩み始めます。1985年には北京中央戯劇学院表演系に入学し、演技を磨きました。卒業後は文工団に戻り、約10年間、声優として活躍。ディズニーのドナルドダックを始め、様々なジャンルの作品の吹き替えを担当し、中国国内で高い知名度を得ました。日本のアニメ『母をたずねて三千里』の中国語吹き替えにも参加した経験があります。

1990年代後半から、実写作品への出演も開始。馮小剛監督作品に多数出演するようになりましたが、当初は主に名前のない脇役でした。「龍套王（脇役の王様）」、「馮小剛の御用龍套」と呼ばれることもありました。

転機が訪れたのは2007年。馮小剛監督の戦争映画『戦場のレクイエム』で主人公の古参兵、谷子地を演じ、圧倒的な演技力で観客を魅了しました。この作品の大ヒットと共に、チャン・ハンユーの名は一躍世間に知れ渡ることとなります。『戦場のレクイエム』での演技は高い評価を受け、2008年の金鶏百花奨、金馬奨の主演男優賞を始め、数々の映画賞を受賞しました。それまで脇役として活躍してきたチャン・ハンユーは、『戦場のレクイエム』をきっかけに、名実共に中国を代表するトップ俳優の仲間入りを果たしました。

その後も、チャン・ハンユーは数々の映画やテレビドラマに出演し、幅広い役柄を演じきります。『天下無賊』、『風声』、『孫文の義士団』、『一九四二』といった話題作への出演や、海外作品への出演など、活躍の場は国内外に広がっています。特に、2014年の『タイガー・マウンテン〜雪原の死闘〜』では主演を務め、その演技は高い評価を受けました。近年では、『グレートウォール』、『マンハント』（福山雅治とダブル主演）、『オペレーション:レッド・シー』など、国際的な作品への出演も果たし、グローバルな活躍を見せています。

チャン・ハンユーは、長年に渡る声優としての経験、そして数々の脇役経験が培ってきた演技力、そして『戦場のレクイエム』でのブレイクと、その後の地道な努力によって、現在の地位を築き上げました。彼の演技は、常に深く、そして心に響くものがあります。これからも、彼のさらなる活躍に期待したいところです。

彼は現在も第一線で活躍を続け、中国映画界を代表する俳優として、その地位を確固たるものとしています。 彼の今後の活動からも目が離せません。

もう一度検索