張鍾勲

張 鍾勲（チャン・ジョンフン）の野球人生

張鍾勲（チャン・ジョンフン）は、1968年4月10日に大韓民国忠清北道永同郡で誕生し、韓国プロ野球界で確固たる地位を築いた選手です。現役時代はピングレ・イーグルスやハンファ・イーグルスで遊撃手、一塁手、指名打者として活躍しました。

現役時代の道のり

1986年、世光高校を卒業した張は、無名の選手としてピングレ・イーグルスにテスト生として入団しました。当時の韓国プロ野球界は、高校生からスター選手として知られる選手が多く、大学や社会人チームを経由しないとプロ入りすら難しい状況がありました。それにもかかわらず、彼は年俸360万ウォン（当時のレートで約50万円）でプロ入りし、低いスタートから挑戦を始めました。

彼の初年度からの活躍は目覚ましく、1年目から一軍に昇格し、打率2割7分、8本塁打を記録しました。その後も成績を伸ばし、1987年には12本、1988年には18本の本塁打を打ち、チームの韓国シリーズ進出に貢献しました。特に、当時の二遊間は小柄で器用な選手が多かった中、長打力を持つショートとして注目を集めました。

しかし、守備面では不安があり、エラーが試合の流れを変えてしまう要因となることもありました。1989年の韓国シリーズでは、初戦を勝ち取ったものの、張のエラーが原因で流れを失い、シリーズの行方が変わってしまいました。

1990年には28本塁打を記録し、最多本塁打のタイトルを獲得しました。しかし、シーズン終盤には故障に見舞われ、一時はポジションを一塁手や指名打者に変更することとなります。1991年には320本塁打、114打点でその年の最優秀選手に選ばれるなど、記録を次々と更新していきました。

記録の数々

1992年にはさらに盤石な活躍を見せ、韓国初のシーズン40本塁打を達成するなど、2年連続で最優秀選手に輝きました。しかし、1993年から1994年にかけて故障が続き、成績が下降します。その後も浮き沈みを繰り返す中、2002年まで15年連続で二ケタ本塁打を記録し、韓国プロ野球の通算最多記録として名を馳せました。特に1999年には、主要選手としてチームを韓国シリーズ優勝に導く重要な役目を果たしました。

最終的に、彼は2005年に18シーズンを経て引退しました。その際、韓国では「練習生神話」と呼ばれ、多くの記録を残した彼を祝うため、引退試合はファンに無料で開放され、背番号35は永久欠番としてチームに記憶されることとなりました。

引退後の歩み

引退後、張はハンファ・イーグルスの2軍打撃コーチとして指導者の道を歩み始め、後に1軍打撃コーチへ昇格しました。日本の福岡ソフトバンクホークスでも指導経験を積むなど、多様な経験を通じて選手の育成に励んできました。彼は韓国の若手打者にとって大きなロールモデルとなり、指導者としてもその才能を発揮しました。

このように、張鍾勲は現役時代に驚異的な成績を残し、引退後も育成に貢献した選手であり、その足跡は今もなお多くの人々に記憶されています。

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