彐部

彐部（けいぶ）についての詳細

彐部は、漢字の部首の中で7部首の一つであり、特に動物の姿を模した漢字が含まれています。漢字を部首によって体系的に分類する目的で設けられたこの部首は、康熙字典において214部首中58番目、筆画数においては29番目の3画の部首として指定されています。彐部には「彐」、その変形の「彑」、さらには「⺕」という形が含まれ、これらは主に動物に関連する漢字に使用されることが多いです。

彐部の起源と意義

彐という部首は元々独立した漢字ではなく、部首としての分類の必要に応じて新たに作られた字です。この部首には、特に哺乳類の動物を模した文字の頭部の形状に由来するものが多く見られます。たとえば、詩韻における「霽韻」や、去声における音の分類に合わせた構造が見て取れます。

彐部の字体のバリエーション

印刷に用いられる字体については、彐部の一部である「彑」を使用した漢字とその派生字のデザインが異なるケースがあります。たとえば、彊で用いられる「彔」という字は、日本の新字体や中国の簡略化された字形では「緑（簡化字：绿）」や「録（簡化字：录）」といったように変化しています。また「彗」の下部の字は、横画が長く貫通する形状であり、これは「雪」のデザインと似通った形をしています。ただし、これらの字体処理の違いは、中国における繁体字の印刷字体に及ぶこともありますが、日本では常用漢字表内の漢字に限られています。

彐部の呼称と国別の名称

この部首に対する呼称は地域によって異なります。日本では「けいがしら」または「いのこがしら」とも呼ばれています。中国では「雪字底」や「尋字頭」と称され、韓国では「튼가로왈부（teun garo wal bu、開いた曰の部）」と呼ばれています。英語圏では「Radical snout」と表現されます。

具体的な例字

彐部にはさまざまな例字があります。たとえば、3画の「当（あたる）」や、6画の「彖（ぶた）」、8画の「彗（ほうき）」、そして9画の「彘（いのこ）」などが含まれます。さらに、10画の「彙（はりねずみ）」や15画の「彝（つね）」などもあります。これらの漢字はそれぞれに異なる意味をもたらしながら、彐部に属する特性を示しています。

音声と音韻

この部首の読み方には、さまざまな言語での発音があり、日本語では「ケイ」、中国語のピンインでは「jì」と記され、注音符号では「ㄐㄧˋ」となります。朝鮮語においては「돼지머리（dwaeji meori）」と称され、「ブタの頭」の形に由来しています。

このように、彐部は漢字の中でもユニークで特異な位置を占め、深い意味と歴史を有する部首であることがわかります。

もう一度検索