彩帆香取神社

彩帆香取神社の歴史

彩帆香取神社は、サイパン島ガラパンに位置する神社です。その歴史は、第一次世界大戦中の1914年、日本海軍がサイパンを占領した際に始まります。当時、軍艦「香取」に祀られていた香取神宮の分霊を、ドイツ軍の望楼があった小山に祀ったのが始まりです。この小山は香取山と名付けられました。

1916年、台風で小祠が倒壊したため、香取山の中腹に社殿が造営されました。その後、サイパン島での製糖事業が発展し、在留日本人が増加したことから、南洋興発社長の松江春次が大規模な社殿の造営を計画しました。彼はこの神社を南洋群島全体の守護神にしようとしましたが、南洋庁がパラオに総鎮守を創建する予定だったため、実現しませんでした。

1931年、現在地に新社殿が完成し、香取神社は遷座しました。同時に、天照大神と大国主命が合祀され、社名は「彩帆神社」と改称されました。しかし、第二次世界大戦でサイパンは激戦地となり、1944年に社殿は焼失。終戦後、彩帆神社跡地は松江春次を記念する砂糖王公園となりました。

戦後の再建と現在の姿

1985年、日本の香取神社連合会などの尽力により、神社は再建され、「彩帆香取神社」と名付けられました。再建された神社には、戦前の社号標と灯篭が残されており、当時の銃撃の跡を見ることができます。社号標は2004年に自然倒壊しましたが、2005年の天皇皇后両陛下のサイパン訪問に合わせて修復されました。

現在、彩帆香取神社では毎年秋に日本人会主催の祭礼が開催され、七五三の祈願も行われています。多くの提灯が奉納され、会場には数々の出店が並びます。この祭りは、日本人はもちろんのこと、現地の島民も訪れるため、異文化交流の場としても重要な役割を果たしています。

関連情報

香取 (戦艦)：彩帆香取神社の創建に関わった旧日本海軍の戦艦
ガラパン：彩帆香取神社が位置するサイパン島の地区
アメリカ合衆国の神社一覧：アメリカ合衆国に所在する神社に関する情報

外部リンク

サイパン・テニアン・ロタ情報：マリアナ政府観光局　公式サイト - 彩帆香取神社
サイパン島の戦跡(1) - ウェイバックマシン (彩帆香取神社の2016年現在の写真)
彩帆神社 - 神奈川大学非文字資料研究センター (海外神社に関するデータベース)

彩帆香取神社は、歴史と文化が交錯する場所であり、サイパン島を訪れる人々にとって重要な観光スポットとなっています。

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