彩虹邨

彩虹邨（チョイフン）

彩虹邨（チョイフン、広東語読み: チョイホンチュン、英語: Choi Hung Estate）は、香港の九龍、黄大仙区の牛池湾に位置する公営住宅団地です。その名の通り、虹のようにカラフルな外観が特徴で、近年は観光スポットとしても注目を集めています。

歴史

1958年、香港政府は香港住宅局（屋宇建設委員会）に、この地に大規模な住宅団地を建設することを許可しました。1962年から1964年にかけて各ブロックが順次完成し、1963年には当時の香港総督ロバート・ブラウン・ブラックも出席したオープニングセレモニーが開催されました。この式典を記念する看板は、現在も団地内に残っています。 当時、約43,000人が居住可能で、香港最大規模の公営住宅でした。また、1964年にはリチャード・ニクソン（後にアメリカ合衆国大統領）、1966年には英国のマーガレット王女、1967年にはアレクサンドラ王女など、多くの著名人がこの地を訪問しています。現在、彩虹邨は香港房屋委員会によって管理されています。

建物と施設

彩虹邨は、複数の住宅ブロック、駐車場、学校、商店などで構成される複合的な住宅地です。11の住宅ブロック、1つの駐車場、5つの学校があり、各ブロックの1階には商店や飲食店が入っています。敷地内の道路は、各ブロックを結び、主要道路へのアクセスを提供しています。

主な施設

住宅ブロック：複数の棟で構成され、多くの世帯が居住しています。
公共施設：駐車場、郵便局、バスターミナル、敷地内市場などが住民の生活を支えます。
* 教育施設：中学校（彩虹邨天主教中學、聖公會聖本德中學）、小学校（中華基督教會香港區會基華小學、聖公會靜山小學、聖公會日修小學）があり、地域の子どもたちの教育を担っています。

交通機関

彩虹邨は、九龍半島東部の主要道路に囲まれており、バス路線が非常に便利です。また、団地名に由来する観塘線の彩虹駅が近くにあり、公共交通機関でのアクセスも良好です。

撮影スポットとしての人気

近年、彩虹邨はそのカラフルな外観から、写真撮影スポットとして人気を集めています。特にバスケットボールコートと虹色の建物が組み合わさった構図が人気です。しかし、この人気に対して、一部のジャーナリストや研究者は、Instagramでの人気が先行し、団地の複雑な社会史に対する理解が浅いと批判しています。また、観光客が地元の住民の生活空間を圧迫しているという指摘もあります。一方で、一部の地元住民は、彩虹邨の写真を観光商品として販売し、観光客を受け入れている側面もあります。

彩虹邨は、2017年にArchaid Images社建築写真賞の最終選考に残った写真の被写体にもなりました。さらに、韓国のバンドSeventeenのミュージックビデオにも使用され、香港政府観光局もこの団地を宣伝するなど、その人気はますます高まっています。

まとめ

彩虹邨は、単なる住宅団地にとどまらず、その歴史、建築、そして現代における文化的な側面から、香港の重要なランドマークの一つとなっています。訪れる際には、地元の人の生活に配慮しながら、その魅力を楽しむことが大切です。

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