観塘線

香港MTR観塘線

観塘線は、香港鉄路有限公司（MTR）が運営する鉄道路線で、九龍半島の黄埔駅から将軍澳の調景嶺駅までを結びます。香港で最初に開業した路線の一つであり、ラインカラーは緑色です。

路線データ

路線距離: 11.2km
軌間: 1,432mm
駅数: 17駅
複線区間: 何文田駅 - 調景嶺駅
単線区間: 黄埔駅 - 何文田駅
電化区間: 全線（直流1,500V架線集電方式）
閉塞方式: 車内信号閉塞式（ATP）
車両基地: 九龍湾車両基地
地上区間: 彩虹駅 - 藍田駅間
走行方向:
左側通行：旺角駅 - 調景嶺駅
右側通行：油麻地駅 - 黄埔駅

概要

観塘線は九龍市街の北側を走り、香港で最初に完成した地下鉄路線です。紅磡地区の黄埔駅から、九龍の中心である油麻地、そして九龍湾や観塘といった新興開発地域を経由して、西貢区の調景嶺に至ります。

路線の多くは高層アパートが林立する住宅街を通過しますが、九龍湾から油塘にかけては、海運倉庫や国際展貿中心などの大規模施設も建設されています。九龍湾から藍田までは高架鉄道となっており、九龍塘駅では、新界北部や中国本土方面へ続く東鉄線への乗り換えが可能です。

2024年現在、17駅中8駅が他の路線との乗り換え駅となっています。九龍湾、牛頭角、観塘の各駅は高架駅、藍田と油塘の各駅は地上駅、その他の駅は地下駅です。

歴史

早期計画

1975年 11月、香港政庁は観塘線（石硤尾駅 - 観塘駅間）と荃湾線（旺角駅 - 中環駅間）の建設を許可し、1979年 10月1日に観塘線が開業しました。当初は4両編成で、路線図上では赤色で示されていました。その後、1979年12月には尖沙咀まで延伸されましたが、油麻地駅と旺角駅は工事の遅れから、それぞれ12月22日と12月31日に開業しました。

1980年2月12日、MTRの列車は初めて海底トンネルを通って香港島の中環方面へ延伸し、香港の交通政策において重要な一歩を踏み出しました。同年2月16日には、乗客増加のため、編成が6両に変更されました。

荃湾線開業

1982年4月26日、荃湾線が開業し、路線名の調整が行われました。中環駅へ至る路線が荃湾線、観塘駅から油麻地駅までの路線が観塘線となりました。観塘線の列車は、荃湾線油麻地駅の下に新たに設けられたホームを終点とし、中環方面から観塘方面へ向かう乗客は旺角駅で乗り換える必要が生じました。また、ラインカラーが緑色に変更されました。

5月10日、荃湾線は一部駅を残して暫定開業しました。暫定期間中、中環駅から佐敦駅までの乗客は旺角駅で、茘景駅から荃湾線の各駅から観塘線への乗客は太子駅で乗り換えが必要でした。5月17日には、遅れていた太子駅から茘湾駅（現在の美孚駅）までの5駅が開業し、正式開業となりました。同時に、油麻地駅が観塘線の終点となり、旺角駅と太子駅が荃湾線との同一ホーム乗り換え駅となりました。

東区海底トンネル

1984年、香港政庁は東区海底トンネルの建設を決定し、MTRがトンネルの使用権を獲得しました。1989年 8月6日、観塘線の終点が香港島の鰂魚涌駅に変更され、港島線との乗り換えが可能になりました。同年10月1日には、藍田駅が開業しました。1986年 5月22日には、乗客数の増加、特に九龍塘駅でのKCR（現東鉄線）からの乗り換え客の増加に伴い、編成が8両に変更され、現在に至っています。

東南九龍発展延長線計画

1997年の計画では、啓徳空港跡地の埋め立て後、観塘線を油麻地駅から東に延伸し、何文田を経由して牛頭角駅に達する計画がありました。この延伸計画は「東九龍線」と呼ばれましたが、2004年の開発計画変更により実現しませんでした。

将軍澳線開業

2001年 9月27日、観塘線は将軍澳線の開業に備えて北角駅まで延伸開業しました。2002年 8月4日には、観塘線の終点が九龍半島側の油塘駅に変更されました。続く8月18日には、将軍澳線が正式に開業し、観塘線の列車は調景嶺駅まで延長され、将軍澳線は東区海底トンネルを通って北角駅を終点とする路線に変更されました。藍田駅からトンネル方面への路線は、回送用として使用されるようになりました。

観塘線延伸

2016年10月23日、観塘線は九龍城区の黄埔駅まで延伸開業し、途中の駅として何文田駅が設置されました。延伸開業に先立ち、油麻地駅 - 黄埔駅間は回送として運行されました。何文田駅 - 黄埔駅間は、建設限界のため単線で開業しました。平日ラッシュ時や土休日の日中は、半数の列車が何文田駅で折り返します。それ以外の時間帯は、全ての旅客列車が黄埔駅まで乗り入れます。この区間は油麻地駅の特殊な構造のため右側通行となっています。

使用車両

現在の車両

イギリス製メトロキャメル電車: 8両編成（開業時は4両、1980年から6両、1986年から8両）。1998年から2001年に全面更新。
AXXX - 先頭車（モーター車）
BXXX - 中間車（モーター車）
CXXX - パンタグラフ付中間車（モーター車）
DXXX - 中間車（モーターなし）
中国製市区線電車: 8両編成。
AXXX - 先頭車（モーターなし）
BXXX - 中間車（モーター車）
CXXX - パンタグラフ付中間車（モーター車）

過去の車両

韓国及び日本製Rotem電車: 8両編成。13編成。2002年 4月末から導入されたが、現在は全車将軍澳線に転属。
A3XX - 先頭車（モーターなし）
B3XX/B8XX - 中間車（モーター車）
C3XX/C8XX - パンタグラフ付中間車（モーター車）

将来

未開業の駅は、駅名が斜体で表示されています。

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