彭倫

彭倫（ほうりん）

彭倫（生年不詳 - 1498年）は、明代中期の軍人です。彼は、その生涯を通じて各地の反乱鎮圧に尽力し、特に少数民族である苗族の反乱鎮圧で名を馳せました。

生涯

彭倫は、初め湖広永定衛の指揮使としてそのキャリアをスタートさせました。数々の功績を重ねることで都指揮同知へと昇進し、その軍事的な才能を発揮し始めます。

大藤峡の乱鎮圧

1465年、彭倫は趙輔に従い、大藤峡の乱鎮圧に参加しました。この戦いでその軍事的な手腕を認められ、都指揮使へと昇進します。その後、貴州清浪諸処の守備を任され、茅坪・銅鼓の苗族による反乱を鎮圧する任務に当たります。

乾渓での戦い

反乱軍が乾渓を襲撃した際、彭倫はこれを討伐することになります。彼は邛水諸寨が反乱軍の侵入を阻止しなかったことを知り、侵入した反乱兵を捕らえた者には重賞を、放置した者には法による処罰を科すという厳格な命令を下しました。この措置により、諸官はこぞって苗族を捕らえ、彭倫の幕下へ送るようになりました。彭倫は捕虜を処刑することで反乱軍に恐怖を与え、その遺体を兵士に食べさせるという非情な行為も行いました。罪の軽い者は耳や鼻を切り、再犯を許さないと通告して釈放し、境界を定めることで苗族の侵入を阻止しました。

石全州の宗教反乱鎮圧

翌年、彭倫は右参将として清浪に駐屯し、石全州の宗教反乱に対応しました。この反乱は絞洞に潜伏し、古州の苗族を扇動し、洪江や甘篆の苗族もこれに呼応しました。彭倫は兵を派遣して討伐し、攫われた妻子たちを奪還しました。鎮遠を攻撃しようとした苗族も撃破しました。

邛水十四寨の反乱鎮圧

その後、邛水十四寨の苗族が洪江の生苗と結託して反乱を起こすと、彭倫は五哨に分かれて進軍しました。激しい雨の中、彭倫は迅速な進軍で反乱軍を挟撃し、その首領を捕らえて反乱を鎮圧しました。

靖州の苗族反乱鎮圧

靖州の苗族が反乱を起こした際、湖広総兵官の李震は彭倫に討伐を命じました。彭倫の軍が邛水江に到達すると、もともと帰順していた苗族が逃げ隠れしようとしたため、彭倫は彼らを落ち着かせ、道に沿って天堂や小坪の苗族を降伏させました。靖州に到着後、彭倫は右哨を率いて反乱軍の背後を襲撃し、反乱軍を高山へ追い込みました。彭倫軍は山を登って反乱軍を攻撃し、大勝を収めました。さらに、白崖塘を攻め、夜間に崖を登って反乱軍を潰走させ、2000人以上を斬殺し、反乱軍の根拠地を制圧しました。

苗族の統治と制度改革

臻剖・六洞の苗族が熟苗の耕作地を奪い、税賦や駅馬の供出を拒否していた問題に対し、彭倫は人を派遣して苗族を説得し、制度に従わせました。この功績により、1476年には都督僉事に昇進しました。

その後の活躍

1486年には清平都勻の苗族の反乱を鎮圧し、その智謀と老成さが評価され、御史の鄧庠や員外郎の費瑄によって推薦されました。1488年には呉経の後任として総兵官に任命され、貴州に駐屯しました。1491年、老齢のため引退し、1498年6月に亡くなりました。

彭倫は、その軍事的な才能と厳格な統治能力によって、明代の社会安定に大きく貢献した人物と言えるでしょう。

もう一度検索