趙輔

趙輔（ちょう ほ）

趙輔（生年不詳 - 1486年）は、明代の軍人であり、字を良佐、本貫を鳳陽府鳳陽県とする人物です。

生涯

趙輔は、済寧衛指揮使の職を継ぎ、その軍事的な才能から、1450年（景泰元年）に尚書の王直らの推薦で、署都指揮僉事に抜擢され、左参将として懐来の守備を任されました。1456年（景泰7年）には、後軍都督僉事に昇進しています。

天順帝の時代初めには、北京に召還され、右府の事務を担当しました。1465年（成化元年）には、中府都督同知として征夷将軍の号を受け、韓雍と共に両広の少数民族による反乱鎮圧に尽力しました。同年12月には大藤峡での勝利を収め、1466年（成化2年）6月に凱旋を果たし、その功績が認められ11月に武靖伯に封じられました。

しかし、間もなく反乱軍が潯州に侵入した際、趙輔は自身の責任を逃れるために誇大な報告を行ったことが発覚し、御史や給事中ら言官たちの弾劾を受けることになりました。趙輔は、その罪を部下の守将である欧信になすりつけ、成化帝はこれを不問に付しましたが、この一件は趙輔の人物像を物語る出来事となりました。

1467年（成化3年）には、総兵として建州女直討伐に派遣され、都御史の李秉と共に撫順から深入りし、戦功を挙げました。この功績により、1468年（成化4年）1月には爵位を武靖侯に進めました。

1472年（成化8年）には、平虜将軍の号を受け、総兵官として陝西・延綏・寧夏の軍馬を統制し、王越と共にベグ・アルスランのオルドス侵入に対する防御に当たりました。しかし、趙輔が楡林に到着したときには、ベグ・アルスランはすでに明領深くに侵入しており、6月には平涼・鞏昌・臨洮を略奪、7月には慶陽府の管轄域を縦断している状況でした。趙輔と王越は、楡林にとどまったまま手をこまねいていたため、言官たちから激しく弾劾されることになります。この責任を問われ、成化帝によって召還されたものの、京営監督の任と侯位は維持され、禄200石の減封にとどまりました。

1476年（成化12年）に京営の任務を解かれ、1486年（成化22年）6月に死去しました。死後、容国公の位が追贈され、諡は恭粛とされました。

子の趙承慶が武靖伯の爵位を継承しました。

趙輔の評価

趙輔は、その生涯において数々の武功を立てましたが、その一方で責任転嫁や虚偽報告など、軍人としての倫理観に欠ける行動も目立ちました。彼の功績と過ちの両面が、明代の歴史の中で議論の対象となっています。

参考文献

* 『明史』巻155 列伝第43

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