影山利郎

影山利郎：囲碁界の普及に尽力した名棋士

影山利郎（かじやま としろう）は、1926年6月21日に静岡県で生まれ、1990年7月31日に64歳で亡くなった囲碁棋士です。彼は、計算に明るく、着実に勝利を重ねる堅実な棋風で知られていました。特にアマチュア囲碁の普及に大きく貢献し、「囲碁レッスン日本一」とも呼ばれ、多くの人々に囲碁の楽しさを伝えました。

プロ入りと棋士としての歩み

1942年、16歳で囲碁を始めた影山は、その才能を開花させ、1948年の全日本素人本因坊戦で優勝。翌1949年にプロ棋士としての第一歩を踏み出しました。1953年には大手合第二部で優勝し、四段に昇段。その後、1955年には日本棋院入門講習会を開設し、講師として後進の育成にも力を注ぎました。

1961年には六段に昇段。1965年と1966年の高段者トーナメントで連続準優勝を果たすなど、着実に実力を向上させていきました。1967年には囲碁選手権戦での活躍が認められ高松宮賞を受賞。同年から2年間、NHKテレビ囲碁講座に出演し、その明快な解説で多くの視聴者を魅了しました。1977年には七段に昇段し、同年の大手合第一部では全勝賞と準優勝を獲得しました。

アマ碁界への貢献と「力の光」

影山利郎は、アマチュア囲碁の普及・発展に大きく貢献したことで知られています。彼の指導法は分かりやすく、多くの人に囲碁の楽しさを伝えました。また、執筆家としても活躍し、多数の著書を出版しています。

影山は、黒白両者が打ちたい場所に打つことで、その手が盤上に強い影響を与えることを「力の光」と表現しました。これは、囲碁の本質を捉えた言葉として、多くの人に感銘を与えました。

昇段履歴

1949年（昭和24年） - 初段
1950年（昭和25年） - 二段
1951年（昭和26年） - 三段
1953年（昭和28年） - 四段
1955年（昭和30年） - 五段
1961年（昭和36年） - 六段
1977年（昭和52年） - 七段

主な著書

Lessons in the fundamentals of go (1978年)
素人と玄人: 徹底分析、これだけ違う両者の視点 (2013年、1971年初版の再刊)
最新囲碁を始める人のために (1986年)
置碁の戒め: 置石に自信をつけるために (2005年)
よくわかる囲碁入門: 決定版 (2002年)
* アマの碁ここが悪い 1 布石の要点 (1988年)

影山利郎は、囲碁棋士としてだけでなく、指導者、著述家としても多大な功績を残し、日本の囲碁界に大きな足跡を残しました。彼の情熱と知識は、これからも多くの囲碁ファンに受け継がれていくでしょう。

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