影牢II -Dark illusion-

影牢II -Dark illusion-

『影牢II -Dark illusion-』（かげろうツー ダークイリュージョン）は、テクモ株式会社が2005年6月にPlayStation 2用ソフトウェアとして発売したアクションゲームです。企画・制作は株式会社パオン（当時）が担当しました。本作は、PlayStation向けに展開された『刻命館』、『影牢 〜刻命館 真章〜』、『蒼魔灯』に続くシリーズ最新作として、プラットフォームをPlayStation 2へと移して登場しました。シリーズの持ち味であるトラップを使った戦闘システムはそのままに、本作では「Dark illusion」と総称される大規模なギミックが導入され、ゲームのサブタイトルにも冠されています。約9万4千本の販売本数を記録しました。

概要

シリーズの伝統を受け継ぎつつ、本作最大の特色として挙げられるのが「Dark illusion」の存在です。これは、ステージにあらかじめ組み込まれた非常に大掛かりな仕掛けであり、敵に大きなダメージを与えるとともに、迫力ある専用ムービーが再生されるという特徴を持ちます。Dark illusionの発動には特定の条件を満たした上で、敵を定められた地点へ誘導する必要がありますが、一度のミッション中に使用できるのは各仕掛けにつき一回のみという制限があります。この新要素が、これまでのシリーズにはなかった戦略性と視覚的なインパクトをゲームにもたらしています。

登場人物

物語は、フローネンブルグ王国の王女であるアリシア（声：中島沙樹）を中心に展開します。王宮内の複雑な陰謀に巻き込まれ、故郷を追われたアリシアは、森の中で迷い込んだ館で「魔手」に取り憑かれます。これは魔神の力の一部であり、彼女にトラップを操る魔力を与えます。この新たな力を手に、アリシアは次々と迫りくる敵に立ち向かうことになります。

アリシアの傍らには、彼女の教育係であり世話役であったレイチェル（声：半場友恵）がいます。王宮を逃れた後も数少ない味方として、アリシアにとって母親代わり、姉、そして友人というかけがえのない存在です。

物語の発端となるのは、アリシアの父であるオラフ国王（声：筈見純）の殺害事件です。国王の後妻であるカタリーナ（声：外村晶子）は、先妻の影を追う夫やその娘アリシアに強い憎しみを抱き、国王の死に乗じて王宮の支配を画策します。

武術の腕で近衛隊長にまで上り詰めたヘルツォーク（声：沢木郁也）は、国政を顧みない国王とアリシアに見切りをつけ、カタリーナに協力する道を選びます。理想国家建設が彼の目的です。彼の腹心である寡黙なフィネガン（声：武内健）は、ヘルツォークの命令を受けてアリシアを追詰めます。

その他、オラフ国王の忠臣であり親友でもある将軍グレインズ（声：野中秀哲）、騎士道を重んじながらも国の混乱に苦悩する騎士ジョイス（声：檜山修之）、国王暗殺に関与したとされる謎多き女盗賊エイダ（声：小菅真美）、そして魔神を封印した大魔導士ベルトラン（声：岡和男）とその弟子で魔神が封印された館の監視役マイテ（声：山田美穂）など、様々な思惑を持つ人物たちがアリシアの前に立ちはだかったり、時には道を示したりします。

Dark illusionの種類

「Dark illusion」にはいくつかの種類が存在し、それぞれが異なる演出と効果を持っています。代表的なものとしては、巨大なオルゴールが敵を内部に引きずり込む「人喰いオルゴール-Melody of Scream-」や、敵を大砲の弾として射出し落下させる「人間大砲-Barrel to Hell-」があります。また、高速回転する拷問水車で敵を弾き飛ばし、ワニに襲わせる「獣の晩餐-Crocodile Service-」、敵を拘束して屋外へ弾き飛ばし落雷させる「天の裁き-Lightning Strike-」といった残虐なギミックも含まれます。その他にも、電撃で拘束した敵を空中ブランコで蹴り飛ばし壁ヤリで串刺しにする「死の空中ブランコ-Hell Circus-」、時計に磔にして針で圧迫する「運命の刻み-Twelve Killer-」、魔神の像が敵を叩き潰す「堕ちたる者の咆哮-Legendary Giant-」、そして七体の霊が敵を攻撃する「永劫の封印-Seven Judgments-」などが存在し、プレイヤーを飽きさせないバラエティ豊かなトラップが用意されています。

本作は、シミュレーションのような戦略性とアクションの爽快感を併せ持ちながら、独自のダークファンタジー世界で繰り広げられる人間ドラマと、トラップを駆使するユニークなゲームプレイ体験を提供しました。

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