影狩り

影狩り

概要

『影狩り』（かげがり）は、さいとう・たかをによる劇画で、様々な時代劇ファンに親しまれています。本作は『週刊ポスト』（小学館）や『コミック野郎』（リイド社）で連載されており、特に徳川時代を舞台とした物語が描かれています。加えて、岡村賢二によるリメイク版『新・影狩り』も存在し、オリジナルとは異なる視点から物語が展開されています。

あらすじ

物語は徳川時代に始まります。この時代、幕府は財政的な危機に直面しており、その解決策として悪名高い手段、すなわち諸大名を排除し、領地を没収する施策を採ります。このため、多くの隠密や忍者が大名の弱点を探し回り、世人は彼らを恐れて“影”と呼ぶようになりました。

大名たちはこの脅威に対抗するため、影を討伐する者たちを雇います。物語の中心には3人の浪人、室戸十兵衛、日光、月光の影狩り三人衆がいます。彼らは影との戦いを通じ、さまざまな任務に挑む姿が描かれています。三人衆は、それぞれ異なる能力や背景を持ちながら、連携して“影”という存在に立ち向かいます。

登場人物

室戸十兵衛

三人衆のリーダーであり、神道無念流の剣士でもある彼は、影狩りの戦いで主導的な役割を担います。かつては越後一条の森家に仕えていましたが、影の陰謀で主家を失い、浪人となりました。彼は同じ境遇の藩を救うため、影狩りを始めます。また、後のストーリーで影を操る大目付との対峙も描かれます。

日光

本名乾武之進。かつて鳴瀬藩でお膳番をしていましたが、藩主が影に暗殺されたことで流浪の身となります。女性好みの性格で、旅先では女郎屋を探す姿が特徴です。また、彼は食味役の経験から食べ物の臭いを嗅ぎ分ける特技を持っています。

月光

日下弦之介という本名を持ち、伯耆流抜刀術の達人です。彼も影の暗黒のものとの戦いの中で家族を失った過去を持ち、十兵衛と共に影狩りに身を投じます。

邪悪な存在とその動機

物語内では幕府の圧力や影との駆け引き、また影狩り三人衆が直面する多くの試練が描かれ、彼らの戦いは単なる物理的なものだけではなく、深い人間ドラマとも結びついています。大目付の大場瀬左衛門や青江下坂といった敵キャラクターたちは、三人衆に対抗すべく陰謀を巡らせ、彼らの運命を大きく揺さぶります。

メディア展開

『影狩り』は1972年に石原裕次郎主演で2本の映画化もされ、また1983年及び1992年にはフジテレビで時代劇スペシャルとして放送されています。近年では、岡村賢二によるリメイク版『新・影狩り』が2011年から2014年にかけて連載され、オリジナルとは異なる観点から物語が展開されました。リメイク版では、影狩りと影の戦いよりも、藩の人間関係に焦点が当てられています。

このように、『影狩り』は時代劇における隠密の立場や、彼らの生き様、そして悪と戦う勇敢な浪人たちの物語を描き続けており、その魅力は今なお色あせてはいません。

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