征討大将軍

征討大将軍について

征討大将軍（せいとうたいしょうぐん）は、慶応4年/明治元年（1868年）の戊辰戦争における鳥羽・伏見の戦いを契機として、明治新政府が臨時に設置した官職です。

概要

明治元年（1868年）1月4日、新政府は仁和寺宮嘉彰法親王（後の小松宮彰仁親王）を征討大将軍に任命し、錦の御旗、節刀、そして征討大将軍の官印を授与しました。仁和寺宮は東寺に陣を敷き、その後大阪に進んで京阪地域の軍事を指揮しました。さらに、対外的には外国事務総裁を兼任し、外国との外交交渉も担当しました。

しかし、同年1月28日に仁和寺宮が凱旋し帰京すると、その任務は解かれ、征討大将軍の官職は廃止されました。その後、新政府軍が江戸へ進軍を開始する際には、征討大将軍の権限は東征大総督に委任されることとなりました。

征討大将軍は、新政府が成立初期の動乱期において、迅速な軍事指揮と外交対応を行うために設けられた、過渡的な官職であったと言えるでしょう。その短い存続期間は、新政府の体制が整っていく過程を示すものとして捉えられます。

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