待避所

待避所：安全な道路利用のための工夫

日本の道路には、安全な走行を確保するための様々な工夫が凝らされています。その一つに待避所があります。待避所は、大きく分けて二種類存在します。一つは狭隘[[道路]]における離合のための待避所、もう一つは急勾配における緊急停止のための緊急退避所です。本稿では、それぞれの待避所の目的、構造、設置場所などを詳しく解説します。

狭隘[[道路]]における待避所

狭隘[[道路]]、つまり幅員の狭い道路では、車両同士のすれ違いが困難な場合があります。そのため、車両が安全に離合できるよう、一定間隔で待避所が設置されています。待避所は、路肩よりも広い空間が確保されており、車両が一時的に停車して、すれ違いを可能にします。これは、道路の拡幅が難しい場合の有効な改良策の一つです。多くの場合、待避所の設置場所を示す案内標識も設置されています。

緊急退避所

緊急退避所は、主に長い下り坂に設置される緊急用の施設です。ブレーキ故障や、ブレーキの効きが悪くなるフェード現象など、ブレーキトラブルによって速度制御が困難になった車両が安全に停止するための空間です。緊急避難所と呼ばれることもあります。

緊急退避所は、下り坂の中腹や終端に設置され、通常は上り坂の地形を利用し、砂や古タイヤなどを敷き詰めています。これにより、ブレーキが効かなくなった車両でも、安全に停止できるようになっています。しかし、緊急退避所の構造は場所によって異なり、例えば国道274号の日勝峠にある緊急避難所は、下り坂の傾斜とほぼ同じ傾斜で深く掘り下げられた部分に、ふるい砂利を敷き詰めた「制動路盤」と呼ばれる構造となっています。

この制動路盤は、様々な車両の停止実験が行われ、その有効性が確認されています。2004年には、50km/hで走行する乗用車、25t大型トラック、トレーラー（空荷と満載の両方）すべてが、この制動路盤で安全に停止できることが実証されました。ただし、最低地上高の低い車両の場合、スタックしたり、車両に損傷が生じる可能性はあります。それでも、緊急退避所は、重大な事故を未然に防ぐ上で重要な役割を果たしています。

まとめ

待避所は、狭隘[[道路]]での安全な離合と、急坂でのブレーキトラブル発生時の安全確保という、二つの重要な役割を担っています。それぞれの待避所は、道路状況や交通量、そして安全確保の観点から、適切な場所に適切な構造で設置されています。ドライバーは、これらの施設の役割を理解し、安全運転に役立てていくことが重要です。 箱根新道や碓氷バイパスなど、多くの山岳道路でこれらの待避所を見ることができます。これらの施設は、安全な道路環境を維持するために欠かせない存在です。

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