律詩

律詩（りっし）

律詩は、中国の漢詩における近体詩の代表的な詩型の一つであり、8句から構成される詩の形式です。

概要

律詩の原型は、南北朝時代の南斉、永明期（5世紀末）に活躍した沈約や謝朓などの詩人によって作られ始めました。その後、時代の変遷とともに韻律の規則が次第に整備され、唐代の8世紀前半に完成されたとされています。

律詩は、句数、字数、平仄（声調のパターン）、押韻、対句といった格式や韻律の制約を厳しく受けるため、その名があります。一句の文字数によって、5文字の五言律詩、7文字の七言律詩が一般的ですが、稀に6文字の六言律詩も存在します。

聯と押韻

律詩は、2句1組で「聯（れん）」を構成します。8句の律詩は、4つの聯から成り立っており、それぞれ首聯（起聯）、頷聯（前聯）、頸聯（後聯）、尾聯（結聯）と呼ばれます。特に、頷聯と頸聯は、それぞれの2行が対句になるという決まりがあります。

押韻は、偶数句の句末で行われ、第1句は押韻してもしなくても良いとされています。ただし、途中で韻を変える換韻は行われません。また、各字、各句、各聯同士で平仄に一定の規則が存在します。

平仄

第1句の第2字が平字（声調が平）であるものを平起、仄字（声調が仄）であるものを仄起と呼びます。

律詩の規則は以下の通りです。

1. 二四不同、二六対：各句の第2字と第4字は平仄を異なるようにします。七言律詩では、さらに第2字と第6字の平仄を同じにします。
2. 各句の第2字を縦に見て、仄平平仄、または平仄仄平となるようにする（粘法）。
3. 押韻は、五言律詩では二・四・六・八句に、七言律詩ではさらに第1句にも行います。第1句に押韻しないことを踏落しと言います。
4. 頷聯（第3・4句）と頸聯（第5・6句）には、それぞれ対句を用います。
5. 孤平（仄字の間に平字が1字挟まること）や下三連（下3字に平字または仄字のみが続くこと）は避けます。
6. 基本的に同一の字を用いませんが、例外も多く存在します。

型式

以下に、律詩の基本的な型式を示します。○は平字、●は仄字、◎は押韻を表します。

五言律詩 仄起式
（省略）

五言律詩 平起式
（省略）

七言律詩 仄起式
（省略）

七言律詩 平起式
（省略）

関連項目

近体詩
絶句
定型詩
中国[[文学]]

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