後森

後森（うしろもり）

後森は、秋田県鹿角市にある標高842メートルの山です。周囲は美しい自然に囲まれ、特に麓付近は八幡平温泉郷として知られ、多くの観光客が訪れます。さらに奥地には十和田八幡平国立公園が広がり、豊かな自然環境が魅力を引き立てています。

地理的特徴

後森は熊沢川流域に位置し、その背後には前森という山が控えています。この地域は数々の自然景観とともに、歴史的な背景を有しています。かつては原生林に覆われた奥地は、人々が容易に近づくことのできない神秘的な場所とされていました。この森に入ることが許されたのは、主にマタギと呼ばれる狩猟を生業とする人々や、時折行われる仙北地方との交流によるものでした。

江戸時代以降、地域の森林資源は重要な役割を果たすようになります。特に、尾去沢鉱山への薪や炭の供給が必要とされ、周辺の森林が伐採されていきました。このため、後森を含む森林地域は経済活動の一環として大きな影響を受けたのです。

歴史的背景

後森には「止め山」と呼ばれる重要な歴史的背景があります。藩政時代、この山より奥の地域は入山禁止とされ、厳密に管理されていました。これは、盛岡藩が江戸幕府の要請を受け、尾去沢鉱山で銅鉱石を採掘するために必要な木炭の供給源を守るためでした。

当時、銅の精錬技術が日本国内には存在せず、荒銅状態でオランダなどに輸出されていました。荒銅の生産には大量の木炭が必要とされ、このため「止め山」として指定された地域は厳重に管理され、周囲の人々が出入りすることは許されませんでした。

観光情報

後森の西側山麓には東トロコ温泉があり、八幡平温泉郷の一部として観光地として賑わいを見せています。美しい自然を体験できるハイキングコースや温泉は、訪れる人々に癒しの場を提供しています。特に四季折々の風景は、散策や撮影を楽しむには最適です。

まとめ

後森はその自然の美しさと歴史的な背景から、今も多くの人々に親しまれています。訪れる際は、地域の歴史を感じながら自然を満喫してみてはいかがでしょうか。特に秋の紅葉シーズンや、冬の雪景色は訪れる価値があるでしょう。

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