後百済

後百済（ごくだら）

後百済は892年から936年にかけて存在した国家で、後三国時代の一環として甄萱（キョン・フォン）によって建国されました。百済が新羅によって滅ぼされた後、その復興を目指すものでした。

建国背景

甄萱は尚州で生まれ、農業を営む家庭に育ちました。彼は西南海での軍事活動を通じて頭角を現し、新羅の将軍に選ばれましたが、その地位には不満を抱いていました。軍事的な力を蓄えるため、彼は自らの根拠地である西南海で集結し、892年に農民一揆に乗じて挙兵を決意しました。

初期の戦況

彼は武珍州（全羅南道光州）や完山州（全羅北道全州）を占領し、最初は「新羅西面都統治指揮兵馬制置」などの名乗りを持って活動しました。900年には王号を得て国名を「百済」と定め、その復興を掲げました。

戦闘の経過

920年、彼は新羅の西部大耶城を攻め落とし、高麗南端への進軍を始めます。当初、新羅と高麗との間での勢力は拮抗していましたが、922年には後百済が日本に軍事援助を求めたものの、返答は拒否されました。また、後唐に朝貢を試みましたが、有名無実の官職のみを得て、実質的な支援は得られませんでした。

926年10月、後百済は金城を占領し、新羅の王、景哀王を自殺に追い込みましたが、高麗の王建（ワン・ゴン）が新羅支援に向かった際、大敗を喫します。926年12月、甄萱は休戦を求め、その後の927年3月に王建がこれに応じましたが、再び戦闘が始まることになります。

929年には慶尚北道において快進撃を収めるも、再度日本に援助を要請するも再び拒絶されます。930年には高麗が反撃を行い、古昌郡において大きな敗北を喫しました。934年、甄萱は再度休戦を求めますが、王建はこれを受け入れず、戦闘が続行されます。

内部の動乱

935年、甄萱の長男・神剣は他の兄弟と共に父を幽閉し、四男の金剛を殺害します。その直後、甄萱は娘を連れて高麗に投降し、高麗王建は彼に「尚父」という称号を与えました。

936年6月、甄萱は自らの息子に対する討伐を王建に求め、王建は甄萱と共に後百済を滅ぼしました。甄萱はその後亡くなり、残された兄弟たちも流罪となり、最終的には殺害されました。高麗は甄萱の娘婿である朴英規に爵位を与え、甄氏を懐柔しようと努めました。

結論

後百済は、甄萱の指導のもと一時的な復興を遂げるも、内外の困難に直面し、最終的には滅亡を遂げた短命の国でした。

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