後藤快五郎

後藤快五郎について

後藤快五郎（ごとう かいごろう）は、日本の実業界と政治で多大な影響を及ぼした人物です。元治元年5月9日（1864年6月12日）に生まれ、昭和2年（1927年）に逝去しました。彼は町会議員や郡会議員、県会議員として地域社会の発展に尽力し、山陰鉄道敷設における最大の功労者として知られています。

経歴

出身は出雲国能義郡布部村宇波（現在の島根県安来市）で、広瀬の山村塾と県立松江中学校で学んだ後、小学校教師を務めました。1887年、彼は鳥取・米子の名家である後藤家の養子となりました。養子縁組のため、彼はこの家の当主が代々名乗る市右衛門という姓を名乗ることはありませんでした。当時の後藤家は財政的に厳しい状態でしたが、快五郎は為替倉庫業や質業を通じて徐々にその業績を伸ばしました。また、煙草製造にも携わりましたが、煙草専売法が施行された後には、松江との競争に勝利し、岡山専売局の出張所誘致に成功しました。この成果により、彼は山陰の煙草元売捌権を取得しました。

早くから山陰鉄道敷設の構想を掲げていた快五郎は、鉄道省の石丸技官を支援し、明治35年（1902年）、境-御来屋間の開通を実現しました。さらに、鉄道の車両工場誘致にも尽力し、用地の買収を進め、自らの土地を提供するなどして貢献したことが評価され、駅名と工場に「後藤」の名前が付けられました。これが現在のJR後藤駅および後藤総合車両所です。鉄道の開通を祝して、明治45年に「山陰鉄道開通全国特産品博覧会」を開催し、このイベントにより米子の近代化を促進しました。このように、快五郎の貢献は地域の発展にとって非常に大きなものでした。

また、彼は山陰実業銀行を設立し、その専務に就任しました。さらに米子商工会の頭取にも選ばれ、地域経済に対する彼の影響は多岐にわたりました。町会、郡会、県会では各議員に選出されており、政治家としても活躍しました。

史料と資料

快五郎に関する資料も数多く存在しますが、特に彼が関与した税収に関する資料が注目されます。大正4年（1915年）の『郡勢一斑』には所得額が三千円以上の人々の名前が記載されており、後藤快五郎もその中に名を連ねています。このような記録は、当時の社会における彼の経済的地位を示す重要な資料と言えるでしょう。

参考文献・関連項目

快五郎に関する情報は多く、特に『鳥取県百傑伝』では彼の業績が詳述されています。他にも後藤駅や後藤総合車両所、後藤家住宅、後藤直満、山陰実業銀行など、彼に関連する項目も数多く存在しています。

外部リンクも豊富にあり、後藤駅に関する情報が掲載された「鳥取・山陰・大山王国ホームページ」などが参考になります。これらの情報を通じて、後藤快五郎の功績や生涯を知ることができるでしょう。

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