後藤総合車両所

後藤総合車両所：山陰の鉄道を支える車両基地

後藤総合車両所は、鳥取県米子市に所在する西日本旅客鉄道（JR西日本）の車両基地および車両工場です。山陰地方における鉄道輸送を支える重要な拠点であり、車両の検査・修繕から改造、新製まで幅広い業務を行っています。本所を中心に、出雲、鳥取、岡山に支所を構え、それぞれの地域に密着した役割を担っています。

歴史

その名は、山陰での鉄道建設に際し、用地提供や買収に尽力した後藤快五郎に由来します。1902年に米子駅構内に開設された仮工場がその始まりで、1918年に現在地へ移転し、後藤工場となりました。国鉄時代を経て、1987年の国鉄分割民営化によりJR西日本に承継。1997年には後藤車両所と米子運転所の検修部門が統合され、現在に至ります。2025年4月には、関連会社との一体化を目指し「JR西日本後藤テック」へ社名変更を予定しています。

組織

後藤総合車両所は、中国統括本部の管轄下にあり、本所（車両工場）、米子支所、出雲支所、鳥取支所、岡山気動車支所の各組織で構成されています。

本所

米子市に位置する本所は、車両工場としての役割を担い、広大な敷地を有しています。ここでは、JR西日本管内の車両に加え、JR貨物の機関車エンジン、私鉄車両の部品検修など、多岐にわたる業務が行われています。また、近畿車輛、川崎重工業、新潟トランシスと提携し、過去には221系や207系といった新型車両の製造も手掛けました。近年では、関連会社名義で私鉄車両の新造も行っています。

米子支所

米子駅構内に位置し、扇形機関庫が現役で使用されているのが特徴です。車両基地としての機能を有し、所属車両の日常的な検査・修繕を担当しています。旧運用検修センター。

出雲支所

出雲市に位置し、かつては特急形車両専門の基地として知られていました。現在も島根県内で数少ない転車台が稼働しています。浜田市には浜田派出所が設置されています。

鳥取支所

鳥取市に位置し、2022年に組織改編により後藤総合車両所の支所となりました。

岡山気動車支所

岡山市に位置し、2022年の組織改編により後藤総合車両所の支所となりました。

各支所の所属車両

各支所には、それぞれの担当地域で活躍する様々な車両が配置されています。

米子支所: キハ187系、キハ126系、キハ121系、キハ40形、キハ47形、キヤ143形、12系客車、ホキ800形貨車、DE10形ディーゼル[[機関車]]、DD51形ディーゼル[[機関車]]などが配置されています。鬼太郎列車のキハ40形も所属しています。
出雲支所: 273系、285系、381系、クモヤ145形、キハ120形などが配置されています。サンライズエクスプレスも出雲支所の所属です。
鳥取支所: キハ187系、キハ47形、HOT7000系（智頭急行からの管理受託車）などが配置されています。
岡山気動車支所: キハ40形、キハ47形、キハ120形などが配置されています。みまさかスローライフ列車もこの支所の所属です。

車体略号

各支所に所属する車両には、略号が記されています。米子支所は「中トウ」、出雲支所は「中イモ」、鳥取支所は「中トリ」、岡山気動車支所は「中オカ」と表示されます。

後藤総合車両所は、山陰地方の鉄道ネットワークを支える重要な役割を担っています。多岐にわたる業務を通じて、安全・安定輸送に貢献しており、地域社会にとって欠かせない存在です。

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