後藤貞行

後藤 貞行について

後藤貞行（ごとう さだゆき、1850年2月4日 - 1903年8月30日）は、日本の彫刻家として名を馳せた重要な人物です。特に、馬の彫刻に優れた才能を持ち、彼の代表作である皇居前広場の楠木正成像における馬の彫刻は、多くの人々に愛されています。

若年期と教育の背景

後藤は紀州藩士の次男として、箱根で誕生しました。その後、駿河国で育ち、1858年から和歌山で文武を修めます。1866年には幕府の騎兵所にて騎兵技術を学びました。その後の明治時代になってからは、東京などで武道を引き続き学びました。

1874年からはフランス人のデシャルムから西洋画を学び、その影響を受けて artistic endeavor に乗り出します。1875年には陸軍戸山学校で図画掛として働き始め、1880年からは軍馬局に勤務し、石版画や写真術を学びました。その後、高村光雲と知り合い、木彫技術を習得していきます。

美術活動と代表作

1884年には駒場農学校に勤務し、その際、天皇の愛馬「金華山号」の銅像を手がけ、評価を得ました。1890年からは東京美術学校に勤務し、楠木正成の銅像の共同制作に参加します。このプロジェクトでは、彼の彫刻技術がいかんなく発揮されました。

さらに、1898年には上野恩賜公園の西郷隆盛像において犬の「ツン」を制作し、その作品も多くの人々に親しまれるようになりました。しかし、同年に岡倉覚三が辞職したことを受けて、美術学校を辞め、以後は自然の中で彫刻活動を続けました。多くの彫刻を手がけ、その後、盛岡にて最晩年を過ごしたと言われています。

家族と後継

後藤には息子がおり、彫刻家としても名を馳せた後藤光岳がいます。後藤光岳は父の名を受け継ぎ、後藤貞行という名前でも活動していました。

参考文献

後藤貞行についての詳しい情報は、田中修二の著書『近代日本最初の彫刻家』に記されています。この書籍では、彼の生涯や業績が詳述されています。彼の作品は、日本の彫刻界における重要な位置を占めており、今なお多くの人々に影響を与えています。

後藤貞行の業績は、彼自身の才能だけでなく、彼が生きた時代の背景も反映されています。彼の彫刻は、技術的完成度だけでなく、文化的な価値を考える上でも重要な役割を果たしています。

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