後藤道夫 (科学ジャーナリスト)

後藤道夫（ごとう みちお）は、1927年に生まれ、2017年12月22日に逝去した日本の科学ジャーナリスト、サイエンスプロデューサー、そして科学教育研究家です。長野県飯田市出身で、東京理科大学理学部物理学科を卒業しました。教育者としては、工学院大学附属高等学校で教鞭を執り、その後、工学院大学、東京都立大学、上智大学、明治大学などで講師を務めました。

後藤氏は、特に青少年の科学教育に尽力しました。1992年には「青少年のための科学の祭典」を設立し、科学技術館を中心に全国80都市で展開、第1回から第4回、そして第9回の全国大会では実行委員長を務めました。この活動を通じて、次世代を担う子どもたちに科学の楽しさ、面白さを伝え、科学への関心を高めることに貢献しました。

サイエンスプロデューサーとしては、各地で「親子科学教室」を開催し、科学の普及に努めました。また、飯田市科学教育ボランティアグループ「おもしろ科学工房」のスタッフとして、市内の小中学校を対象とした「巡回科学実験教室」を企画・実施し、地域における科学教育の推進にも貢献しました。

後藤氏の最大の功績の一つは、著書『子どもにウケる科学手品77』が73万部を超えるベストセラーとなったことです。この本は、科学の原理を楽しく学べるように工夫されており、子どもたちだけでなく大人にも広く支持されました。さらに、この本は英語、中国語、タイ語、韓国語にも翻訳され、海外にも紹介されています。この功績により、2000年には科学技術庁長官賞を受賞しています。

後藤氏は、科学教育番組にも多数出演しました。NHK教育テレビの「テレビ理科教室」、「みんなの科学」、「クイズ面白ゼミナール」、「やってみよう何でも実験」など、多くの番組を通じて、科学の面白さを広く一般に伝えました。

著書としては、『理科授業に使える面白クイズ』シリーズ（明治図書出版）や、『もっと子どもにウケる科学手品77』（講談社）などがあります。これらの著書は、教育現場での活用だけでなく、家庭での科学学習にも役立つ教材として、多くの人々に利用されています。

後藤道夫は、科学教育の分野において、その情熱と創造性によって、多くの人々に科学の魅力を伝え続けた人物です。彼の活動は、次世代を担う子どもたちの科学への関心を高め、科学技術の発展に貢献しました。後藤氏の功績は、今後も長く語り継がれるでしょう。

関連団体
平成記念かざこし子どもの森公園：初代公園長を務めた。
おもしろ科学工房：飯田市科学教育ボランティアグループ。
ガリレオ工房：東京の科学実験グループ、名誉会員。
青少年のための科学の祭典：設立者であり、実行委員長も務めた。

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