後閑町

後閑町（ごかんまち）

群馬県前橋市の南部に位置する地名、それが後閑町（ごかんまち）である。郵便番号は371-0813を使用している。2013年の測定では、その面積はおよそ1.37平方キロメートルであった。

地理的に見ると、後閑町は前橋台地の南側の端に位置しており、利根川へと流れ込む端気川の左岸に面している。町域の南部には、のどかな田園風景が広がり、水田が点在する光景が見られる。

この地名の歴史は古く、江戸時代にはすでに存在が確認されており、当時は前橋藩の領地であった。また、後閑町周辺の土地には、かつて多くの古墳が築かれていたことが知られている。1935年に実施された調査では、43基にも及ぶ古墳がこの一帯から見つかっている。

行政区画の変遷をたどると、明治時代初期の1889年4月1日、町村制が施行された際に、後閑村は周辺の六供村、市之坪村、上佐鳥村、朝倉村、橳島村、宮地村、下佐鳥村、さらに紅雲分村、宗甫分村、前代田村、天川原村のそれぞれ一部と合併し、東群馬郡上川淵村の一部となった。その後、1896年4月1日には、東群馬郡と南勢多郡が統合されたことに伴い、所属郡が勢多郡に変更された。昭和期に入り、1954年4月1日、上川淵村は元総社村、下川淵村、芳賀村、桂萱村、群馬郡東村、総社町といった周辺の1町5村とともに前橋市へ編入されることになり、これにより正式に前橋市後閑町として前橋市の一部となった。さらに、1975年には町域の一部が広瀬町一丁目、二丁目、三丁目、および朝倉町四丁目として分離・再編成され、宮川用水より西側の区域が現行の後閑町として定められた。

近年では、町内にあった前橋市立天神小学校が、2017年3月31日をもってその長い歴史に幕を閉じた。しかし、その天神小学校の跡地は有効活用され、2021年4月1日には新たに前橋市立明桜中学校が開校し、地域の新たな学び舎となっている。

「後閑」という地名の由来については、残念ながら明確な記録がなく、不詳とされている。しかし、いくつかの説が提唱されており、有力なものとしては、律令制のもとで国家の管理から外れていた、所有者の定まらない土地を指す「空閑地（ごかんのち）」に由来するという説や、平安時代に政府の台帳に登録されていなかった田畑などを意味する「こかん」という言葉に由来するという説がある。

現在の地域の状況としては、2017年（平成29年）8月31日現在の世帯数と人口に関するデータが記録されており、多くの人々がこの地で生活を営んでいる。地域の子供たちが通学する市立小・中学校の学区も定められている。

交通アクセスについては、後閑町内に鉄道駅は存在しない。路線バスの運行はあるようだが、主要な国道や県道といった幹線道路は町域を通っていない。

町内の主な施設としては、前述した教育機関である前橋市立明桜中学校や、地域の活動拠点となっている前橋市上川淵公民館などが挙げられる。

これらの情報は、主に「角川日本地名大辞典 10 群馬県」（角川書店、1988年）などの文献に基づいている。

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