徐才厚

徐才厚の生涯と経歴

徐才厚（じょ さいこう、1943年6月 - 2015年3月15日）は、中国の軍人として著名な存在でした。彼は総政治部主任や中国共産党中央政治局委員、国家中央軍事委員会副主席など、数多くの重要な役職を歴任し、最終的に上将に昇格しました。彼のキャリアは、中国人民解放軍の発展と密接に関連しており、時代の波に乗りながら成長していきました。

初期の経歴

徐才厚は1943年、満洲国時代の奉天省復県で生まれました。1963年8月に人民解放軍に入隊し、その後5年間、ハルビン軍事工程学院で電子工学を学びました。卒業後は陸軍第39軍の農場での勤務を経て、1970年には吉林省軍区独立師団に配属されました。1971年4月には中国共産党に入党しました。この時期、彼は多くの軍部の基本的な役割を担い、徐々に昇進の道を歩みました。

昇進と主要な役職

1970年代から1980年代にかけて、徐は吉林省および瀋陽軍区で多くの役職を歴任しました。1985年には陸軍第16集団軍の政治部主任としてその名を知らしめ、1990年代には中将に昇格し、さらに総政治部副主任などの要職を務めました。1997年の第15回党大会では党中央委員会委員として選出され、徐才厚はその地位をさらに高めていきます。

1999年には上将に昇格し、中国共産党中央軍事委員会の委員としても選出され、より多くの権限を手に入れました。2004年には総政治部主任を退任しましたが、その後も党中央軍事委員会の副主席として活動を続け、徐は中国軍の重要な指導者の一人となりました。

権力の強化と腐敗の疑惑

徐才厚のキャリアは、軍部内での権力が強化される中で発展しました。しかし、その権力の高さが彼にとってのリスクともなり、2014年には中国共産党中央政治局の会議で彼の党籍が剥奪される事態となりました。これは、彼が収賄行為に関与していると認定された結果でした。報道によれば、彼は多額の賄賂を受けており、自宅には金塊や数多くの高級酒が所蔵されていました。

特に、彼は部下の昇進基準を賄賂の額で決定するという悪習を持っていたとされ、これが軍部全体に蔓延していた状況が指摘されています。この腐敗構造は徐才厚氏の時代に特に顕著でした。

最期とその後の影響

徐才厚は2015年、多臓器不全により亡くなりました。彼の死去は、彼が残した問題、特に贈賄や権力乱用に対する取り組みを再考するきっかけとなりました。彼の事件は中国共産党内の腐敗問題の象徴ともなり、その後の改革や反腐敗運動に影響を与えました。

徐才厚の生涯は、軍事指導者としての栄光と腐敗の闇を併せ持つものであり、彼の経歴は中国近代史の一側面を代表しています。

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