徒歩所要時間

徒歩所要時間（とほしょようじかん）について

徒歩所要時間とは、不動産関連の広告において、物件から最寄りの鉄道駅などの公共交通機関までの所要時間を示す指標です。この歩行時間は、「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」に基づき、具体的な算出基準が設けられています。

公正競争規約における基準

徒歩所要時間の計算は、規約第5章の表示基準第10条において定められています。具体的には、

• - 分速80メートル（4.8 km/h）

- 歩行速度は、健康な女性がハイヒールを履いた場合を基にしています。この基準は、もともとは100メートルを1分で測定することから始まりましたが、女性にも適用できる現実的な速度に見直された結果です。実際には、1963年に公正取引委員会で設定された際、ある女性職員が廊下を歩く速度が参考にされています。この結果、80メートル毎に1分という基準が採用されました。

算出時の端数処理

徒歩所要時間の計算において、1分未満の端数は切り上げることが原則とされています。このため、たとえば820メートルの距離は820/80で10.25分となり、これを11分として表示します。また、公共交通機関までの距離が80メートル未満の場合にも、「徒歩0分」ではなく「徒歩1分」とする必要があります。

距離の測定方法

徒歩所要時間は、直線距離ではなく道路に沿った距離（道路距離）を基にして算出されます。この際、最も近い所を起点および着点として考えます。具体的には、団地から駅への距離を測る際、実際には団地内の最も近い地点から駅までの道路距離を使用し、その間の移動時間は考慮されません。

渡河や信号による影響

計算においては、歩道橋や地下道といった交通を越える際の距離も考慮されます。しかし、信号待ちや坂道などの時間は加算しなくて良いとされています。

実際の所要時間

通常、徒歩所要時間は住宅地図などのデータを元に算出されますが、実際の歩行時間は実地で測らなければ分からないため、注意が必要です。これにより、広告上の表現と実際の所要時間が異なる場合があるため、購入者側の判断材料としては、実地確認も重要です。

まとめ

徒歩所要時間は不動産広告において重要な情報であり、正確な理解と意識を持つことが、購入者にとっての有益な判断材料となります。一方で、測定基準や実際の環境との違いも考慮し、必要に応じた情報の把握が求められます。

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