御乱心〜オールタイム・ワースト〜

御乱心〜オールタイム・ワースト〜

『御乱心〜オールタイム・ワースト〜』は、日本のシンガーソングライターさだまさしが2016年に発表した一風変わったワースト・アルバムです。このアルバムは、さだがコンサートでのトークの中で冗談半分に語った「ワーストアルバムを作る」という構想から生まれました。その発端となったのは、2013年にリリースされたベストアルバム『天晴〜オールタイム・ベスト〜』の後、さだが観客からのリクエストについて話す中での出来事です。

2013年のコンサートでは、さだはリクエストカードに「心に残った曲」を書いてもらい、その中に「ねこ背のたぬき」という意外な選曲があったことを明かします。この一件から「ワーストアルバムを作ったら面白いのではないか？」というアイデアが生まれ、それを実現する形で本アルバムが制作されることになりました。アルバムのタイトルは、さだが行なったコンサートツアー中の投票で決定され、最も多くの拍手を受けた「御乱心」となりました。

収録曲はさだ自身の選曲によるもので、ファン投票とは異なります。また、ジャケットアートはイラストレーターの中村佑介が手掛けており、「遊び」をテーマにして収録曲のモチーフが取り入れられています。特に、ジャケットに描かれたスイセンノウは「ユーモア」を象徴する花言葉を持っており、アルバム全体の趣旨を示しています。アートワークには、収録曲全ての元素が込められており、見る者に楽しみを提供します。

『御乱心』にはいくつかの収録曲があり、それぞれに特記すべき要素があります。例えば、「ねこ背のたぬき」はこのアルバムの中でも特に象徴的な存在です。また、「魔法のピンク」は新たに録音された曲で、2008年にNHK「おかあさんといっしょ」に提供された楽曲が含まれています。

「シラミ騒動組曲」は、全ての歌詞がイタリアの音名表記のみで構成され、視覚的にも耳を楽しませるユニークな体験を提供します。この組曲は、2016年8月に行われた東京国際フォーラムでのライブ録音として収録されています。

そのほかにも、さだが生放送の番組に出演した際の録音や、新作がいくつか収められており、特に「誰も知らない二番目のうた」は初めてCD化されることになりました。

最終的に、アルバム『御乱心〜オールタイム・ワースト〜』はオリコンウィークリーチャートで初登場8位を記録し、多くのファンに受け入れられました。このワーストアルバムは、さだまさしの独自の視点とユーモアが詰まった作品であり、彼の音楽への愛情が感じられます。

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